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様々なケアにおいていつも患者中心であろうとする姿勢、症状に対処しQOLを維持していくことは、考えてみれば一般病棟でも当然行われていなくてはいけないことである。緩和ケア病棟独特のものではない。ホスピスケア、緩和ケアは、ケアのあり方を示す言葉であり、施設を示す言葉ではない。患者が望む場所でどこでも提供されなければならないケアであると感じた。緩和ケア病棟は、その専門のスタッフがいる、そのケアを中心に専門とした病棟という位置づけだと思う。そしてケアを継続することで、患者自身の希望を実現させていく場所なのではないかと思う。

今回、がんの患者のみならずHIVの患者にも出会うことができた。がん患者とはまた違った援助が必要なことが理解できた。がん・HIVの患者、また他の慢性疾患においても緩和ケアの対象となり得るのではと考えた。

 

まとめ

 

今回の緩和ケアの講義の全てにおいて、今までの看護の経験を振り返りながら聴かせていただいた。緩和ケアの1つ1つの側面を理論づけながら学ぶことで、今まで困難な問題と思われていたこともよく理解することができた。そして患者の「生」「生活」「QOL」を支えるとはどういうことかということを学んだ。

また、緩和ケアの中で看護婦に要求されることは以下のことであると考えた。

1. がん、がん看護に対する知識を持つこと

「知は力なり」である。十分なアセスメントができなければ、よい援助はできない。

2. 症状コントロールの技術を持つこと

症状について、判断、評価できる力が必要であり、患者の希望する生活ができるように介入していく。

3. コミュニケーション能力

4. 相手を受け入れられるフレキシブルな考えを持つこと

この研修を1つのステップとして今後も学びを深めていきたいと思う。

 

おわりに

 

研修も終わりの頃に早く病棟に戻りたいという思いが出てきた。それはこの学びのもとに患者のケアに生かしたい、スタッフにも伝えたいという気持ちからである。私自身は、研修の全てを習得したわけではない。これからはできることを1つ1つ積み重ねていきたいと思う。研修に際しては、頼もしい仲間ができたこと、諸先生方に出会えたことを本当にうれしく思う。そして学びの場を与えて下さりお世話になった、金子祐子先生、山野雅子先生、実習先の国立療養所東京病院のスタッフの皆様に感謝し、深く御礼申し上げます。

 

 

 

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