実習最終日、42歳の肺がん患者の5歳になる息子さんのお誕生会を食堂で行った。患者は酸素カヌラをつけベッドごと移動し、スタッフ全員でバースデーの歌を歌い、息子さんにバースデーカードとぬいぐるみのプレゼントを準備した。その場にいた全員が大切な時間を共有し、患者と家族を見守っていた。こうした配慮は、一般病棟では難しいことだが、姿勢として学ばなければならないと感じた。
5) ボランティアについて
緩和ケア病棟において、患者がその人らしい生き方を全うしようとする時、専門の医療スタッフでは十分満たし得ない患者、家族のいろいろなニーズがある。ボランティアを受け入れることで、えてして起こりがちな医療スタッフのみの視野から起こるケアの固定化を防ぐことができ、新しい人間関係を築くことを期待している。ボランティアを受け入れることで、施設に社会性、コミュニティをもたらし、病棟が家庭的な雰囲気をもつことができる。目的、役割、依頼内容などを明確にしておくことが、継続するためには大切であることを学んだ。
2週間の施設実習から患者、家族のとらえ方、視点、姿勢など多くの気づきをいただいた。講義だけでは得られないとても貴重な学習をさせていただいた。これから緩和ケア病棟開設に向けて看護実践に生かしていきたいという思いでいっぱいである。
最後にお忙しい中、実習を受け入れて下さった信愛病院の竹内総婦長さんはじめ、酒井婦長さん、井口先生、病棟スタッフの皆様に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。