この他にも数多くのことを見、教えてもらったが、全てに共通して言えることは、医療者は患者の価値観に沿うために何ができるかを常に考え、工夫し、実行しているということである。一口に価値観と言っても人それぞれ違うので、それを把握するだけでも大変なことだと思う。そのためには知識や技術だけではなく、人間に対する畏敬の思いが必要であることを改めて感じた。
おわりに
私にとって、聖ヨハネホスピスで実習させていただいた2週間は、毎日が驚きと感動の連続だった。山崎先生のご著書に書かれていた世界が、そこにそのままあった。しかし、本来そうあるべきという意味において、当たり前のことをしているだけなのだということがよくわかった。医療者中心から患者中心にしただけのこと。
これまでの自分の中での常識が壊され、新たな常識が生まれたように思う。