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<学習目標>

1. 緩和ケアの基本理念を理解する。

2. 緩和ケアに必要な知識・技術を習得する(患者のもつ症状の緩和技術を習得し実践できる)。

3. 家族や患者の心理を理解し、こころのケアに対する知識・技術を習得する。

4. チーム医療の理念を理解し、チームアプローチが実践できる能力を養う。

5. 学習を統合し、緩和ケアに対する知識・技術を深めることができる。

 

講義について

 

講義科目は学習目標に従って、学習目標を具体化できるように設定した。基本理念を理解するための科目として「倫理」「緩和医療・緩和ケア」を設定した。ケアに必要な知識・技術を習得する科目として「症状コントロール」を各症状のテーマごとに設定した。「家族援助論」「コミュニケーション」「心理的特徴と理解」「チームアプローチ」では終末期患者に対しての全人的ケアを目指し、人を尊重し、社会や家族集団の中の個として捉えたケアができることを目標とした。また、個々の事例を用いた演習をとおして、それまでのケアの見直しと今後の課題について考えられるようにした。

今年度は平成10年度の評価結果を反映させて、2週間の実習以前にほとんどの講義が終了しているように配慮した。

各講義の講師は現在緩和ケアの分野及び専門分野において活躍されている方々が担当した。多くの講師のご尽力により充実した内容の講義が展開され、学び多い研修を終了することができた。

講師の皆様に感謝の意を表したい。

 

<受講生の講義内容に対する評価>

研修終了後、学習目標に従って、学習目標を達成することができたかどうかを問うアンケート調査を実施した。アンケートの回答率は清瀬・神戸とも100%である。

5段階評価の調査で「4ほぼできた」とする人は47.5%であり、「5良くできた」は38.8%である。逆に「1できない」とする人はすべての項目において0%である。特に「緩和医療、緩和ケアについての基本的な考え方が理解できたか」の設問と、「学習を統合し、緩和ケアに対する自己の課題を明確にすることができたか」の設問に対する評価が高かった。比較的評価の低い項目は「実践に対して自信がついたか」の設問であった。学びを実践に活用できるかどうかは、受講生個々の今後の課題であると考える。

6週間の研修を短いと感じる人がほとんどであり、もっともっと具体的な援助技術について学びたい、という意見が多かった。

 

実習について

 

実習期間

10日間(60時間)

実習目的

研修での学びを統合し、実習施設での看護の実際を通して緩和ケアに対する知識・技術を深めることができる。

 

 

 

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