・ 通常オールリスク建設保険又はその他の法定の保険(雇用者の賠償責任保険など)によってカバーされる特定のリスクが付保不能となり、事業者または他の類似事業者が同様の業種においてそのリスクに対処するために業務を閉鎖せざるを得なくなった場合、
いずれの当事者も契約を終了する権利を付与されるべきではない。業種に特定なリスクに付いては、両当事者が契約の締結日に、必要条件とされる保険によって担保されるリスクがあり、この保険は将来的に付保不能となる可能性があることに、(助言を得て)合意しているはずだからである。(問題のリスクに関連して)保険が利用不能の場合、当事者は、当該リスクに対する代替的なアプローチを検討しそのリスクに対処しうる方法について合意できるかどうか、検討すべきである。しかしながら、合意に達せず、しかもそのリスクが発生した場合、当局は、保険が利用可能であれば支払われていたはずの保険金と同等の金額を支払う(この場合、契約の終了は発生しない)か、もしくは契約を終了し、かつ不可抗力による終了の際に支払われるべき金額と同等の補償金を支払うか、いずれかを選択することができる。業種に特有なリスクは、大半のプロジェクトに適用されるべきではないため、このアプローチはプロジェクトの大半において必要とされることはない。
24.8.4 以下に掲げるのは、このような業種特有の保険が存在する場合のアプローチの一案である。(業種特定のリスクがあることを前提にしている)
保険付保不能のリスク
(a) もし下記のどちらかが付保不能となった場合、
(i) 特定のリスク14
(ii) 通常オールリスク建設保険、重大な損害賠償及び法定保険によりカバーされるリスク
以下とする。
(iii) 事業者は当局に対し、[5]日以内に、リスクが保険付保不能となったことを知らせるものとする。
(iv) 両当事者が合意するか、もしくは当該リスクが保険付保不能と判断された場合で、以下の双方に該当する場合、当事者は、(いずれかの当事者による自家保険を考慮するなど)当該リスクに対処するための方法を協議するために、面談するものとする。
(A) 保険付保不能となったリスクが、事業者もしくは下請業者の行動によって惹起されたのでない場合
14 このリスクはプロジェクト毎に定義され、他の保険と区別される。例としては、西暦2000年問題や、テロリズム、無制限の環境汚染に関わる賠償責任などは以前は付保可能であったが、ある時点で付保不能となった。