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24.2.4 保険の必要条件は、リスク移転の度合い、特別目的会社の、保険料の支払い能力(リスクの規模と比較した)、プロジェクトの特異性を反映すべきである。当然ながら、あらゆるプロジェクトの建設段階および営業段階で必要とされる、標準的な保険があるが、保険総額と減額とは明らかに異なっている。保険の範囲(リスク、免責、担保の金額及び減額)は、各プロジェクトによって異なるし、各部門によって異なる。当局は、必要とされる保険はどれほどのレベルが適正かを評価する際に、保険を付保されるべきリスクの価値に注意を傾注しなくてはならない。

 

24.2.5 当局が契約の有効期間中の保険の限界もしくは範囲を拡げたいと望む場合、これはサービス提供の変更として扱われるべきである(【12.3 当局による変更】を参照のこと)。

 

24.2.6 中央政府はふつう、自家保険とするため、中央政府によるプロジェクトの下で保持されるリスクを補償するための保険の必要性は皆無である。しかしながら、第三者に関わる補償責任の公的保険を求めようとするのが妥当である。当局は、その利益のために共同保険者となり、かつその利益が保険証券上で適正であるように言及されることを求めることにより、みずからの立場を保護すべきである。事業者にとって、これは通常、承諾可能である。

適切な契約書草稿は、以下のとおりである。

 

24.2 保険

 

(a) 事業者は、サービス提供開始日に先立ち、[付表]において詳述される保険、およびその他法律により必要条件として課される可能性のある保険契約を締結し、これを維持するか、もしくはこのような保険が維持されるように手配させるものとする(但し、その担保物は、当該リスクが開始する日から、これが必要とされる日までの期間中の各事件につき有効でなくてはならないことを条件とする)1

(b) 事業者は、サービス提供期間の間、[付表]において詳述された保険、およびその他法律により必要条件として課される可能性のある保険契約を締結し、これを維持するか、もしくはこのような保険が維持されるように手配させるものとする2

(c) 本契約のいかなる当事者も、妥当な訴訟を提起するか、もしくは提起しそこなうことはなく、一人の当事者に関連して発生し、保険者に対し、このような当事者が共同被保険者となっているか、もしくは付加的被保険者となっている保険証券にもとづく請求の支払いを拒否する権利を付与するものはいかなるものであれ、これを(妥当に見てその権限の範囲内にあるかぎりにおいて)認めないものとする

 

1 建設段階もしくは開発段階のための保険があり、必要な保険のみが掛けられていなくてはならない。

2 営業に関わる保険があり、必要な保険のみが掛けられていなくてはならない。

 

 

 

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