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(f) 上記(e)に基づく当局の支払い義務の履行は、契約・不法行為・賠償によるものであっても、当局に対する本契約及びプロジェクト契約の違反・終了についての事業者の賠償請求および権利の完全かつ最終的な解決である。但し、調整後契約公正価格見込に解約日以前の何らかの当局の支払い義務が反映されていなかったときを除く。

(g) 調整後契約公正価格見込がゼロより小さい場合は、調整後契約公正価格見込と同額を、補償日に事業者が当局に対して支払うものとする。

 

20.2.9.4 資産には代替的利用法があることが契約の締結前に合意された場合、当局は、事業者のデフォルトを理由とする終了時に、支払いをいっさい行わずに資産を放擲して事業者にゆだねたままとするという選択権を有するべきである。

 

20.3 不可抗力の際の終了

 

20.3.1 はじめに

 

契約は、終了に結びつく可能性のある、不可抗力事由を定義し、かつそれが発生した場合に関係当事者の権利を確定すべきでである。

 

20.3.2 不可抗力の範囲

 

20.3.2.1 不可抗力に関わる規定の目的は、影響を被る当事者に対し、支払い責任からの免責を与え、その出来事が一定の期間継続する場合に当事者に対し、契約を終了する機会を与えることにある。不可抗力事由の定義は、免責事由とは異なり、当事者の(とはいえ、ふつうは事業者の)、契約にもとづく、その義務を履行する能力に惨憺たる影響を与える公算が大きい出来事のみが含まれる。実際、このような出来事は発生する見込みはほとんど皆無である。いずれの当事者も、不可抗力の発生もしくは影響を処理する上で他の者より良好な立場にいる公算が大きいため、このような出来事は免責事由とは別の処置が施される。

 

20.3.2.2 以下は、不可抗力事由の、一般に推奨される定義である。

“不可抗力事由”41

とは、以下のいずれかのうち、いずれかの当事者("影響を被る当事者")が、その、本契約にもとづく義務の全部もしくは大部分に応じることができなくなるように、直接働きかける出来事の発生を意味する。

 

41 この定義は、影響がリスク移転の合意された領野を希薄化したり、浸食したりするかもしれないので、関係プロジェクトに特有な問題について慎重に検討することなしに、拡大されるべきではない。しかしながら、必要とされる、明らかに部門に特有な変更がいくつかある(たとえば、あるプロジェクトでは、戦争時の営業が意図される場合、(a)のうちのいくつかが除外されるかもしれない)。この定義はまた、(b)がある程度科学的汚染の処理を意図する環境プロジェクトもしくは化学的処理が関わるプロジェクトには適用不能かもしれない)。

 

 

 

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