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4 各章の概要

 

(1) 調査研究のフローと報告書の構成

 

本調査研究のフローと報告書の構成の関係を示すと、図表序―1のとおりである。

本調査は、調査研究の背景と調査研究の考え方の検討を踏まえて、埼玉県の在宅福祉サービスの現状把握、およびモデル地区に関する詳細調査へと進み、その調査結果を踏まえて、配食サービス、外出支援(移送)サービス、見守り・安否確認システムの三つのサービスについて代替案等の検討まで行った。調査結果のうち、データ分析を中心とする埼玉県及びモデル地区の現状把握並びに代替案検討の対象から除外したサービス分野の分析については、「資料編」として巻末に収録した。

 

(2) 各章の概要

 

本編各章の概要は以下のとおりである。

 

〔第1章 調査研究の背景〕

 

「健康福祉資源の創造と活用」をテーマとする本調査研究に取り組む前提認識として、1]地方分権改革と2]福祉制度の転換(措置制度から契約制度へ)という二大潮流、並びに、社会福祉サービスの多様化と最適化の要請(行政の内部効率性の向上、行政の直接関与縮小による外部効率性の向上、活用可能な社会資源の動員によるサービスの多様化と最適化)について論点を整理した。また、これらの制度改革の方向性から市町村行政に求められる新たな役割を、1]総合的な地域福祉システムの構築、2]地域のマーケット・マネジメント、3]住民参加の充実、4]権利擁護制度の充実、5]情報公開の推進、の5点にまとめた。

 

〔第2章 調査研究の考え方〕

 

本調査研究の必要性を、1]健康・福祉に関する住民ニーズの増大と多様化・高度化への対応、2]分権改革の基本に基づいた地域経営資源の豊富化、3]社会福祉の構造改革が求めるトータル・マネジメントの実現、の3点から整理し、本調査研究の意義(調査成果のもたらす効用)は、1]多様な主体による効率的なサービス供給、2]住民参加による地域福祉の推進、であると確認した。次に、調査研究の基本的な視点として、「健康福祉資源」を「多様な社会資源のうち、地域社会において保健・医療・福祉分野に活用可能な資源」と定義し、これを「個性ある地域福祉文化の土壌形成」に結びつけることが「健康福祉資源の創造と活用」であると考えた。具体的な調査方法としては、福祉サービスに対する住民ニーズと現在のサービス供給体制の特徴、健康福祉資源の配置状況等に地域特性が反映されることを想定して、都市地域(大宮市)、田園地域(東松山市)、山間地域(小鹿野町)の3つのモデル地区を設定した。また、福祉サービスのうち、介護保険法施行後特に地方自治体の主体的な対応が求められる「介護保険適用外サービス」を考察の対象とし、さらに、代替システムの検討については、各サービスの重要度評価等に基づき、1]配食サービス、2]外出支援(移送)サービス、3]見守り・安否確認サービス、の3つに対象を限定した。

 

 

 

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