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3]ホームページ開設等による情報提供

アンケート・ヒアリング調査結果によると、現在長崎港を利用していない荷主には、十分な情報がないまま、輸送コストが高い、通関が迅速でないといった印象を抱いている場合も多数あるものと推察されることから、十分な情報提供は長崎港の利用促進に大きな効果があると考えられる。

そこで、長崎港のホームページを開設し、長崎港を現在利用している荷主に加え、長崎港を利用していない荷主に対して、その航路開設状況、運航スケジュール、輸送コスト、港湾施設の現況・計画、CIQ機能や関連サービスの提供状況、交通アクセス等も含めた長崎港の情報を総合的に提供する。

すでに「よかネット長崎」((財) 長崎県中小企業振興公社中小企業情報センターのホームページ)上の長崎県商工労働部のページ(http://www.joho-nagasaki.or.jp/conts09.html)において航路開設状況などの情報提供が行われているが、長崎港の独立したホームページを開設し、関連するホームページからもリンクを張ることによってアクセスしやすい環境を作る。

 

4]輸出・輸入コンテナ貨物の組合せによるコスト削減

県内造船所において欧州から客船の建造を受注したことに伴い、今後、欧州から艤装品等の輸入が発生する。一方、長崎県で生産される輸出コンテナ貨物は欧米向けの比率が高く、輸出貨物の約3割が欧州向けとなっている。輸出品目は一般機械、電気機器等と想定されるが、これらの輸出と艤装品等の輸入を組合せ、釜山港積み替えで長崎港の韓国航路を利用するように働きかける。艤装品の輸入は現在のところ単発的な輸入ではあるが、まず長崎港を利用した貨物の流れを作ることにより、他の貨物の利用を促進する。また、造船業の構造転換に伴い、今後も継続的に欧州から客船の建造を受注する可能性もあるため、こうした動向を注視しつつ、他の品目についても同様に組合せ可能なコンテナ貨物を見つけ出し、船社および荷主に対して長崎港の利用を働きかけていく。

こうした取り組みにあたっては、各海貨業者等が保有している荷主情報の相互提供が不可欠となることから、1]に述べた長崎港の利用促進に向けた体制づくりが重要となる。

 

5]アクセス道路の整備促進

国内輸送コストの削減には、輸送時間の短縮が大きく寄与すると考えられることから、特に県央・佐世保方面から長崎市中心部を通過せずに長崎市以東と連絡できるルートのアクセス道路の整備を優先し、九州横断自動車道長崎線(長崎多良見IC〜長崎IC(仮))の延伸、地域高規格道路長崎南北幹線道路・国道324号出島バイパスの整備を促進する。

また、アクセス道路の整備にあたっては、トラック事業者は、輸送コスト削減の観点から有料道路を利用せず一般道路を利用する場合が多いことに留意する必要がある。

 

6]混載サービスの充実

取り扱い貨物量の大きな港湾と異なり、長崎港、特に貨物量の確保が難しい中国航路においては、船社やNVOCCによる混載サービスの提供が実現しにくい状況にある。

そこで、長崎空港において貿易関係団体によって小口貨物を取りまとめて混載輸送を行うサービスが実施されていることを踏まえ、貿易関係団体等の事業として、もしくは海貨業者等の共同事業として、アンケート調査で利用ニーズの比較的高かった中国向け(長崎港〜上海など)を中心に混載サービスを提供し、長崎港周辺の取扱規模の小さな荷主企業の長崎港利用を促進する。

 

 

 

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