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(2) 広域的な背後圏形成を可能とする日韓複合一貫輸送サービス

下関港が関東、関西方面の貨物を取り扱うことが可能となっている要因として、韓国航路が毎日運航されていることに加え、これを活用した日韓複合一貫輸送サービスを提供していることがあげられる。

具体的には、次のような点があげられる。

・フェリー航路としての定時性:貨物だけでなく旅客も輸送するフェリーであるため、定時性が高い。

・フェリーによる迅速な荷役:オンシャーシによるRORO方式の荷役形態であるため、港湾での荷役時間が短い。朝入港後、昼頃には荷卸しが完了している。

・即日通関:下関港(北九州港も含む関門港)では、税関が365日オープンとなっており、休日も含めて即日通関が可能となっている。

・鉄道コンテナ輸送とも連携:下関港国際ターミナルとJR下関駅は近接しており、下関〜東京間には直通コンテナ列車も運転されているため、鉄道貨物輸送との連携が容易である。

以上のようなことから、下記に示すように、釜山港を夜出発後、3日目の午前中には東京到着が可能である。

(1日目)   (2日目)             (3日目)

釜山20:00→8:30下関(即日通関)16:56→9:57(JR)東京貨物ターミナル 夕方 →翌午前(トラック)東京付近

 

このため、下関港では関釜フェリーを活用し、関東・関西方面〜韓国間の輸送において、一般のコンテナ船による海上輸送よりも所要日数が短く、航空輸送よりも安価な輸送サービスを提供することが可能となっており、納期短縮の要請が強い衣類の輸入等に利用されている。また、71年より国鉄(現JR)コンテナによる輸送も開始され、鉄道コンテナのまま関釜フェリーに積載する形態の国際複合一貫輸送も行われている。

 

 

 

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