3. 下関港における関釜フェリーを活用した日韓複合一貫輸送サービス
(1) 下関港における航路網とコンテナ貨物流動の特徴
下関港には、韓国航路として、関釜フェリーが毎日就航しているほか、週5便の外貿定期コンテナ航路が就航しており、また、中国航路も週1便就航している。
なお、関釜フェリーは1970年に開設され、当初は1隻で隔日運航されていたが、83年より2隻体制で毎日運航されるようになり、98年には新造船の就航により輸送能力が増強されている。
「平成10年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査」(1998年10月の1ヶ月値)によると、下関港の輸出入相手国は、韓国が大半を占め、輸入量が輸出量の約5倍と大幅な輸入超過となっている。輸入品目は、衣類、野菜・果実、魚介類の3品目で大部分を占める。
下関港を利用する輸入コンテナ貨物の消費地をみると、近畿(23.3%)、中国(20.5%)、関東(19.1%)、四国(12.9%)、九州(12.7%)、中部(10.3%)と広域にわたっており、関東・中部・近畿地方まで広い背後圏を有している。特に、都道府県別にみると、大阪府が第1位、東京都が第3位となっている。
以上のように、下関港は、対韓国の輸入窓口として東京や大阪といった大都市圏向けの農水産品や衣料を取り扱っている。