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まとめ

 

1. 国際化に備えた的確な対応

 

この報告書では、先ず最初に 第1の1)「国際化の進展に伴う職場・職域での変化」で国際化時代を迎え地方公共団体の職員が具体的にどのような仕事に直面するであろうかを職場・職域別に概観した。現時点では外国人居住者の増加その他国際化に伴う仕事への影響は、必ずしも普遍的ではなく、寧ろ一部の地方公共団体、一部の地域、一部の職場・職域において顕著であるようにも見える。しかし、下表に見るようにわが国における外国人居住者の数は増加しつつあり、21世紀を迎えヒト・モノ・カネ・情報の一層の国際的流動性が高まるにつれ、地域社会の国際化は益々進んでいくと考えられる。そして、報告書で述べられている諸変化は、いずれ広く地方公共団体一般に起こり得る性格のものである。当面は国際化への対応を組織的に取組む必要性をさほど感じない地方公共団体においても、これらの変化を自らの課題として捉え、将来に備える心構えを欠いてはならないことをまず指摘しておきたい。

 

国籍(出身地)別外国人登録者数の推移

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(注)数値は各年末現在。

 

2. 基本姿勢の確立と取り組み

 

そのためには、すでに国際化の波に晒されその適切な対応を迫られている地方公共団体・職場・職域の事例、経験、対策等を参考に、組織・職員の両面にわたり国際化対応能力をつぶさに検証し、これらの向上策を講じることが何れの地方公共団体にとっても緊急の課題である。行政としての国際化対応は、それぞれの行政に携わる職員個人個人の有する資質・能力に大きく左右されるものであり、また、職員の資質・能力は一朝一夕に育成され得るものではない。時間をかけて、計画的に育むべき性格のものであることを銘記しなくてはならない。報告書 第1の3)「職員に必要とされる資質・能力の育成向上」及び 4)「海外派遣研修と資質・能力の向上」は、そのような面に焦点をあて、多くの地方公共団体の人事当局者及び職員の参考になるであろう事項の解明に意を用いた。なお、巻末には参考資料として愛知県、川崎市、東京都特別区2団体における人材育成への取組みの事例を収録した。

 

 

 

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