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4) 海外派遣研修と資質・能力の向上

(グローバルなものの考え方・見方を習得するには?)

 

社会保障、都市計画、自然保護など「特定の行政分野での海外事情を調査研究」せしめたり、「広く大きく世界に眼を開き、グローバルな観点から物事を判断する習慣をつける」ため、あるいは「異なる風俗習慣・宗教など異文化に肌で触れ、これらに対する理解を深める」とか「生きた外国語を身につけさせる」ために職員め海外派遣研修を単独もしくは共同または委託で実施している団体も多い。指定都市ではすべての団体が、その他の団体でも8割以上のものがこの種の研修を現在行っている。

反面、特別区の7割弱を筆頭に海外派遣研修を取りやめた団体があり、現在この種の研修を行っていない団体数は全体の4分の1程度に上っている。

海外派遣研修の目的としては、上に記した4項目のほか、「日本の文化・行政などについてその長所を再認識するとともに短所をも自覚する」「豊かな常識を養う、職員にヤル気を起こさせる」「国際的視野にたった政策形成能力を向上させる」「貿易、国際経済交流に関する知識・経験を得させる」「諸外国における都市運営の実態を調査研究し、区政の進展に資する」などがある。

海外派遣研修の方法としては、3分の2の都道府県、すべての指定都市、半分程度の特別区及び同じく半分程度の町村、20%程度の県庁所在市・人口20万以上の市が自前の計画で独自に職員を海外に視察・調査・研究等の目的で派遣している。自治大学校・全国市長会・全国町村会等の公的機関の海外視察・調査計画に参加して職員を海外に派遣する団体は特に県庁所在市・人口20万以上の市・町村に多い。

このほか、他の地方公共団体と共同して職員を海外視察・調査等に派遣したり、自治大学校・全国市町村国際文化研修所の研修の一環としての海外派遣、旅行会社等が主催する海外旅行計画に参加して職員を海外派遣する団体が見られるが、特に都道府県の場合は、すべての団体が職員をCLAIR(自治体国際化協会)、JETRO(日本貿易振興会)その他地方公共団体等の海外事務所の駐在員として長期派遣している。

なお、職員を海外の地方公共団体・研究機関等に派遣したり、外国の大学等に留学させる例が、主として都道府県に見られる。

 

 

 

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