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神仙台ターミナルは、子城台ターミナルよりは埠頭面積が広く、機械化も進んでおり、荷役はトランスファー・クレーン方式によっている。同ターミナル完成の時点で、釜山港のコンテナ・ターミナルが複数となったことから、海運水産庁(KMTA)は、ターミナル間競争促進のために、子城台ターミナルのオペレーターであるBCTOCとは別にPECTを設置した。

 

(2) 牛岩(ウァム)ターミナル

政府が建設しKCTAに無償貸与された牛岩ターミナルは、1996年に第1期が部分 開業された。賃借料をめぐる公開入札によって、最高額を提示した民間企業である高麗 総合運輸(KMTC)に貸し渡しされ、同社が牛岩ターミナル(株)(UTC)を設立して運営を行っている。このように同ターミナルは、前2ターミナルと比較すると民間の関与が大きく、ガントリークレーンなどすべての上物施設がKMTCによって整備されている。牛岩ターミナルの借受契約については、(原則)10年毎に更新されることになっている。

 

(3) 戡湾(カンマン)ターミナルと光陽(クァンヤン)ターミナル

1990年の設立後、KCTAは直ちに戡湾ターミナルと光陽ターミナルの2大プロジェクトの推進をはかった。政府の寄港地分散政策とKCTAの抱き合せ建設の意向とがあいまって、2港同時建設政策がとられた。

民間資金を導入してKCTAによって建設された戡湾ターミナルと光陽ターミナル(4バースずつ合計8バースが1998年5月に供用)は、両港の1バースずつからなる2バースを1バッチとして、建設費負担額をめぐっての公開入札によって貸し渡しされている。実際には、落札決定の要素としてターミナル開発債の購入額が重視され、料金水準も考慮される方式がとられた。

 

5. ターミナル・オペレーターの概要

 

(1) 釜山コンテナ埠頭運営公社

(Busan Container Terminal Operation Corporation; BCTOC)

釜山コンテナ埠頭運営公社(BCTOC)は、前述のKCTAよりも13年早く1978年に設立された、政府100%所有の資本金をもたない商法上の組織である。韓国で最初にコンテナ・ターミナルの運営を手懸けた組織である。同年3月に子城台ターミナル(以下同じ)第5バース、同年9月に第4バース、1981年に第3、第6バースが完成しこれらの合計4バースの運営を行ってきた。加えて1996年にはフィーダー船用第65バースが完成し、その後はこの運営も行っている。BCTOCはもっぱらこれらのターミナルを運営するために政府によって設立された公企業である。

 

 

 

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