イ. 産業別
次に、産業別に見てみると、「製造業」が45%と最も高い割合で「過剰である」と回答しており、次いで「農林漁業、鉱業、建設業」43%、「運輸・通信業」33%で、その他の産業は2割前後となっている。
また、「過剰である」と「やや過剰である」とする企業を合わせた割合を産業別に見てみると、「運輸・通信業」が89%、「農林漁業、鉱業、建設業」が80%、「製造業」が76%となっており、その他の産業も50%を超えて雇用過剰感を抱いていた。この「運輸・通信業」、「農業漁業、鉱業、建設業」、「製造業」の上位3産業の雇用過剰の状態を今回調査項目中の雇用者数の状態等からみてみると、常用雇用者の増減状況からは、これら産業は常用雇用者を減ずる(方向)の企業割合が高く、また、常勤従業員の退職後補充状況からも、人員・人件費削減のため補充を退職者より少なくする企業割合が他産業に比べ高いなど、これら産業が極めて高い余剰人員を抱え、スリム化を図ろうとしている姿勢がうかがえる。平成5年の調査では、この余剰人員をワークシェアリングで雇用を守っているのではないかとまとめているが、最近の景況の悪化から生じた失業率の高さから推測すると、ワークシェアリングから極めて厳しい雇用調整に移行しているのではないか。
なお、雇用に「むしろ不足感がある」と回答してきた企業もあるが、これを差し引いてみても、ほとんどの産業が、5割を超えて雇用過剰感を抱いていたが、「卸売・小売業、飲食店」、「電気・ガス・熱供給、水道業、サービス業」が5割を若干下回っていた。