日本財団 図書館


(曲げの)R止り位置を出す目的は、

●R曲げの範囲を明らかにして、曲げ加工の精度および効率を上げること

●(切断の項で示した)取り合い部材のR止りとの合わせマークに利用することにある。

この記号例を[図2.2.11 S曲りのFc.PL]に示す。図のR上りに記したTの字は曲げのR止りを表す補助記号であり、判り難いときに付加する。この場合のようにR曲げの止り位置が明確であれば、Tはなくても判るので省略してもよい。Fc.PLの(曲げの)R止り位置とウェブの(切断の)R止り位置を合わせて組み付けるのである。

 

048-1.gif

図2.2.11 S曲りのFc.PL

 

ここでは内構の曲げとして代表的なFc.PLにつき説明し、前提としてロールラインが長さ方向に直角としてきた。ウェブへの取付度がどこでも直角と言ってもいい。別の言い方ををすると、ウェブ平面に直交する曲面にあるFc.PLであった。曲型は、取り付くウェブ端辺の形状曲線を移せばよく、当て位置もウェブ取付線で、幅位置のエッジに当ても同じである。したがって、この場合の当位置は自明であり、指定することはない。要するにR上り線に直角に板面にも直角に当ればよいのである。

しかし、Fc.PLでも必ずしもこうならない場合がある。別冊『造船現図展開』に、斜行する面材、捩れた面材として取り上げた例などである。

展開面の一例を[図2.2.12 斜行するFc.PLの曲げ]に示す。この場合は、600Rがよしんば標準であっても、治具曲げはできない。標準R曲型を当ようとすれば、ロールラインに直角だが、上記とは様子が変わることになる。また、このときのウェブの取付縁辺の形状は楕円のはずである。曲げ加工後の形状を確認するには、やはりウェブ取付線当ての曲型がよい。だとすれば曲型の形状は楕円となる。したがって曲型作成は必須であり、この面からもR曲げでなく、型曲げの範囲となる。

 

048-2.gif

図2.2.12 斜行するFc.PLの曲げ

 

演習題:-

上記の例で、逆にウェブの取付縁辺の形状が、標準の600Rなら(むしろ設計図は、こう指定することが多い)、どのようなことになるか?

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION