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演習題:-

倣い開先(VX)のある切断辺上のスキャロップ、両辺に倣い開先のある隅切(いずれも水切を含む)は(R心位置、開先度など)どのようにするか?

 

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図2.1.24 倣い開先の切替

 

また、倣度があっても、あえて倣い開先を取らない場合がある。例えば:-

●浅いスティフナーのクリップ端のように、倣い開先部が短い。

●直切のままでも倣度によるギャップは僅かで、下向き溶接になる。

…などであるが、この場合でも[図2.1.25 板厚補正]に見るように、部材長は取付(線)長より僅かだが短くする必要がある。

このような現図と板厚に関わる型定規の取り扱いを、一括して「板厚処理」と称している。板厚処理は、現図工程での詳細設計補完の主たるものであり、倣度、相互の板厚、隅肉脚長、溶接姿勢、例外判断の関連全体を漏れなく標準化してないと実行できない。まだまだ不十分な造船所が多いように思われる。

 

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図2.1.25 板厚補正

 

ちなみに数値現図では、標準化された板厚処理は、大部分が自動化できる。切巾補正、開先選択決定、延尺適用、外周端計算と併せてシステム化すべきである。NC切断より、むしろこの方が、数値現図の狙い目と言ってよい。折角のこの狙いを生かさない導入が、目につくが、残念でならない。

初期のNC切断は、ガス溶断だったので、複数トーチの組合せブロックを工夫すれば、サーピンはムリでも、XY開先はIと同じように切断できた。だが、その後のプラズマ、レーザ切断の登場は、逆に開先切断をVまでIまでと不自由に追い込んだようである。そのための弊害もまた目につく。開先取りが二次加工となってもよいから、やはり後工程の取付溶接優先でありたい。

 

 

 

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