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倣い開先を取るとして、切断位置は開先最先端(最大外周)を示すのが原則だから、型定規もこの原則に沿わねばならない。しかしながら、あと説明するが、モールドラインの決まり方から、2)の「出し切り」の場合が、比較的に多くなる。そこで、この場合のみ原則を外し、特例として、[図2.1.22 出し切り開先]のように、開先の肩の位置●→で開先要領を示してよいように約束することにする。

また、この図の出し切りは隅肉X開先であるが、この形状決定は現図工程で行うことになる。なぜなら設計図には脚長が記入されているだけで、強いて言えば、倣い開先Vが暗黙裏に想定されているに過ぎないからである。

図の(開先断面)に見るように、すぼみ度側は直角より少ない溶接で脚長が取れるが、開き度側は開先を切らないと、単なる隅肉では裾野が流れて多量の熔着をさせないと脚長が取れない。そこで脚長と同等のX開先になるよう選ぶのである。

 

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図2.1.22 出し切り開発

 

倣い開先は、倣度によってI→V→X→Iと変化する。最後のIは、脚長を問わない、わかし込みである。

その様子を[図2.1.23 倣い開先変化](船首尾甲板の外板付断面)(船首尾フロア面)にて例示しておく。図の外板付上にあるY字状のマークは、あとまとめるが、開先切替え位置の符号である。

 

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図2.1.23 倣い開先変化

 

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