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表4.22 測位演算方法と故障検出、故障衛星排除等の関係

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[1]:WAASで完全性が保証されているが、局地的な変動の検出のため行う。MOPS4.7.2項1)参照

[2]:故障検出で完全性を保証するために行う。MOPS4.7.2項2)参照

 

4.7.2 故障検出

故障検出にはWAASで完全性が保証されている場合に行うものと、RAMで完全性を保証するために行うものがある。

1) WAASで完全性が保証されている測位で行う故障検出

表4.22[1]の部分ではWAASで完全性が保証されているが、局地的な変動を検出するために故障検出を必要とする。(MOPS2.1.4.2.2.2)MOPSでは飛行モードがPrecision Approchの場合のみの要求であるが、測位方法が1.精密進入〜3.エンルート・ターミンルの場合に実行するよう設計した。

最小自乗測位演算後の擬似距離の残差を各衛星の誤差で徐してσ=1に正規化し全ての衛星分を加算して検出統計量とする。検出統計量の閾値はあらかじめ、擬似距離の誤差(σ=1)と誤検曲率から測位に使用した衛星の個数毎(5〜12個)に求めておく。検出統計量がこの閾値を超えた場合、測位に使用した衛星に故障があるものと判断し、FD異常の警報を発する。

測位方法の選択が警報の発生によって直接影響を受けることはない。

2) RAIMによる完全性を保証するために行う故障検出

表4.22[2]の部分では故障検出によって完全性を保証する。

測位演算後の擬似距離の残差を自乗し、全ての衛星分を加算し、検出統計量とする。検出統計量の閾値はあらかじめ、擬似距離の誤差と誤警報率から測位に使用した衛星の個数毎(5〜9個)に求めておく。検出統計量がこの閾値を超えた場合、測位に使用した衛星に故障があるものと判断し、FD異常を出力する。

擬似距離の誤差を33.3m(MOPS2.5.9.2項に記載されたSAが存在する場合の値)と12.5m(同SAが存在しない場合)の二つの場合について閾値を表4.23に示すテーブルの形で求めておき、衛星のURAによっていずれかを選択して使用する。テーブルを作るのに使用した擬似距離誤差の大きさは今後調整によって変更される可能性がある。

 

 

 

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