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また、職員が行う自己啓発の取組に対する助成制度の創設をはじめとして職員の主体的取組を促進させるという視点が重要ではないかという意見もあった。

なお、地方分権推進計画(平成10年5月29日閣議決定)では、地方公共団体に対して、人材育成基本方針の策定、自己啓発・職場研修・職場外研修の適切な連携、人材育成の観点に立った人事管理など総合的な人材育成の推進、自治大学校その他の全国的な研修機関の有効な活用等について要請することとされ、自治省からは人材育成基本方針策定指針などが通知されている。この人材育成基本方針策定指針によれば、自己啓発、職場研修及び職場外研修のそれぞれの特性を踏まえ、研修内容の充実、多様化のための方策や連携のあり方について検討するよう要請されている。

したがって、各地方公共団体における人材育成基本方針の中で自己啓発などのように位置付けているかによって、各地方公共団体ごとに自己啓発の取組の方法が異なることとなるが、自己啓発に着目すれば、自己啓発を支援する制度を適切に整備及び活用していく中で、職場研修及び職場外研修との連携を図っていく必要があるということになる。

また、アンケート結果によれば、自己啓発の促進のための取組としては、通信教育講座の受講のための支援と自主研究グループへの支援がかなり多くなっている。

通信教育講座の受講についてみると、その費用の助成を行っていくに当たり、職員の職務との関連性、その必要性などにより助成対象の分野を検討していくことが有効であるとも考えられる。

そして、自主研究グループについてみると、活動に必要な経費の助成、会議室等場所の提供、成果の発表の機会の提供、図書・教材・機材等の貸与、指導者・講師等の紹介、資料等の提供、勤務時間上の配慮などについて、行政全体の方向性、人材育成という視点、職務との関連性等の必要性を幅広くとらえて、支援を行うことも有効と考えられる。首長の人材育成の考え方等とも合致すれば、職員が参加する自主研究グループに職員以外のいわゆる住民、民間企業の人たちを加えることと認めることも有効である。このことにより、職員が住民や民間企業の人たちなどと交流し、相互啓発を図ることによって、視野・経験を広げるきっかけにもなり、自己啓発として有効に機能するものとも考えられる。

 

 

 

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