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2 管理監督者の自己啓発の必要性

 

管理監督者が情熱をもって自ら自己啓発を率先垂範することも、自己啓発の活性化のために極めて有効な方法であるといえる。

アンケート結果によれば、把握しているデータは少ないのであるが、管理監督者よリ一般職員の方が自己啓発に熱心に取り組んでいる割合が高くなっている。一方、労働省職業能力開発局の「民間教育訓練実態調査報告書」によれば、民間企業では管理・監督職が自己啓発の実施状況が高く、地方公共団体職員のアンケート結果とは逆の結果が報告されている。

地方公共団体職員は、公務員としての経歴を歩む中で、一般職員であれ管理監督者であれ職務上の地位にかかわらず常に自己啓発に努める必要があることは、先に述べたとおりである。特に職員の人材育成や自己啓発に影響を与えるのは管理監督者であることを考えると、首長は、管理監督者に対し、自覚を促すためのきっかけを与えたり、自己啓発を促すような職場の風土づくりに取り組むことが重要となる。

具体的には、職層別研修において問題意識を啓発するような管理監督者研修を行ったり、管理監督者を対象に「職務レポート制度」を導入することなどにより行政課題の解決等の自覚を促し、自己啓発のきっかけづくりを行っていく必要がある。

 

3 自己啓発の支援制度の整備及び活用

 

地方公共団体職員を自己啓発へと誘導していく方策として、組織として、職員の自己啓発を支援する制度を整備していくことが必要である。

新しい地方自治の時代にふさわしい地方公務員制度のあり方を検討することを目的として設けられている地方公務員制度研究会(会長:塩野宏成蹊大学法学部教授)の中間意見をみると、委員から、人材育成を推進するための具体的な取組として、自己啓発、職場研修及び職場外研修の3つの柱それぞれの特性を踏まえ、研修内容の充実、多様化を図ることと、それに併せて、職員が主体的に学習に取り組むような職場環境づくりや目標による管理、QCサークルの活用など仕事を進める過程を人材育成の機会として活用していくことが必要でないかという意見が示されている。

 

 

 

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