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3 民間企業における自己啓発の取組事例等

 

(1) 民間企業における自己啓発の実態

 

労働省職業能力開発局の「民間教育訓練実態調査報告書」の中に、自己啓発の実施に関する事項について、30人以上の常用労働者を雇用する事業所に雇用されている労働者を対象に調査を行った結果が掲載されているので、これについて整理してみたい。

この報告書によれば、労働者の自己啓発の実施状況は全体で50%を超えており、性別では男性の労働者の方がその実施状況が高い。また、年齢別にみてみると、25歳未満の区分で自己啓発を行ったとしている労働者は半数以下であるが、25歳から34歳までの労働者では半数を超えており、35歳から44歳まで、45歳から54歳までと労働者の年齢区分が上がっていくのにしたがって、その割合が高くなってきている。

職種別自己啓発の実施状況では、管理・監督職がいちばんその実施状況が高く、つづいて販売・営業職、専門・技術職、事務職となっている。自己啓発の実施方法は、会社の主催する勉強会への参加がいちばん多く、これに通信教育講座の受講、民間の教育訓練機関の講座の受講とつづいている。年齢別自己啓発の実施方法に目を転じてみると、会社の主催する勉強会への参加では55歳以上の労働者がいちばん参加率が高い一方、通信教育講座の受講では25歳未満の労働者がいちばん受講率が高くなっている。

経験年数別自己啓発の実施方法をみてみると、経験年数が増えるのにつれて、民間の教育訓練機関の講座により自己啓発を行った労働者の割合が増加している。また、職種別自己啓発の実施方法においては、管理・監督職が他の職種と比べ、民間の教育訓練機関の講座の受講率が高いという状況となっている。

自己啓発の実施に当たっての障害としては、自己啓発のための時間がない(忙しい)としているものがいちばん多く、次いで自己啓発のための費用がかかりすぎる、自己啓発についての情報が少ないとつづいている。また、年齢別自己啓発の実施に当たっての障害についてみてみると、自己啓発のための時間がない(忙しい)としている労働者は、35歳から44歳までの労働者の年齢区分がいちばん多くなっている。

 

 

 

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