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これも、たとえば患者の発見方法の領域に深くかかわってくる。集団検査によって集中的に患者を発見する方法は、病気の型が変われば継続しても意味がないだろう。地域社会が協力して、地域ぐるみで患者の早期発見に取り組む方法のほうが継続しやすいのである。感染率の低い状況を達成できる点で、地域ぐるみでプログラムに取り組む意義は大きいが、障害の予防に関しても大きな成果をあげるだろう。初期のインペアメント(機能障害)に続いて進行性の第一のインペアメントが起こってくるが、これは生涯続く可能性があるからである。

 

5.  最後のテーマは研修の重要性である。どの領域でも、ハンセン病プログラムに新しくかかわる人々の研修に新しいアプローチをとることを奨励している。つまり、プログラムにかかわる人々には研修が必要であり、しかも、過去10年間に行われて来たものとは違う研修内容になるだろうというのである。これまでより広い範囲の人々がプログラムにかかわるようになるので、研修プログラムもこれらの人々やグループに適したものでなければならないし、より総合的なアプローチを採用する必要があるだろう。研修がこうした趣旨で行われる意義は深く、研修センターや研修プログラムは、このようなニーズの変化に素早く対応しなければならない。

 

病気と病気の制圧に関する4つのワークショップのいずれでも、これらのテーマが取り上げられたことには、重要な意義がある。これらは今後10年間のハンセン病制圧プログラムに大きな影響を与えるだろう。

 

 

 

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