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補聴援助システムとリハビリテーション」シンポジウム資料

 事業名 補聴援助システムとリハビリテーションの普及啓発
 団体名 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 注目度注目度5


術よりわかりやすい視野で手術ができる分、かえって安全性が高いといえます。しかし、耳にはいろいろな大切な神経が狭い所に密集しており、その中で内耳に手術を行わなければならないので幾つかのリスクを考えておかなければなりませんが、これも一般の耳の手術に共通しています。人工内耳というと、なにか特別な大手術を受けると考える患者さんも多いのですが、手術時間は3時間程度で中耳炎と同じくらいのリスクと考えていただければ少し安心していただけると思います。その上で、具体的なリスクについて説明します。

(1)耳鳴り

人工内耳手術では内耳を開けますので術後に耳鳴りを生じる可能性があります。しかし、実際には人工内耳によって外からの音が大きく入るようになりますので以前からあった耳鳴りがかえって小さくなるひとの方が多くみられます。

(2)めまい

内耳には蝸牛という聞こえの器官と一緒に三半規管や耳石といったバランスの器官も入っています。したがって、人工内耳の手術後には、殆どの人が一時的にめまいを感じます。しかし、これは数日でおさまり、1週間もすれば治ります。長期的に見て、人工内耳によってめまいがひどくなるという事はありません。ただし、メニエール病で両方の高度難聴になった人については、この手術はめまいを止める手術ではありませんから、人工内耳の手術後もめまいが起こる可能性はあります。

(3)顔面神経麻癖

人工内耳の手術を考えている方が最も心配されるのは、おそらくこの顔面神経麻痺だと思います。顔面神経は顔の表情をつくる筋肉を支配している神経で、これが麻痺すると、そちら側の顔が動き難くなります。人工内耳の手術では蝸牛に電極をいれますが、その経路は顔面神経の極近く、1mm以内の部分を通ります。したがって、顔面神経の近くの骨を削る必要があり、この操作が顔面神経麻痺を引き起こす可能性を含んでいるのです。しかし、実際には顔面神経を切るような操作ではありませんから永続する麻痺を引き起こすことはまずありません。また、この操作は手術顕微鏡下に行われるので一時的にもせよ、術後に顔面神経麻痺を引き起こすリスクは低く、その危険性は1%以下です。このリスクも一般の慢性中耳炎や中耳真珠腫の手術と同程度かそれ以下と考えてさしつかえありません。幸い、我々の施設ではこの様な側はありませんが、人工内耳手術にともなうリスクとしてはいつも考慮しておく必要があり、患者さんには毎回手術前に説明し理解して頂いています。

 

4. 小児の人工内耳

 

1)小児人工内耳の現況と重要性

人工内耳ははじめ成人が対象でしたが、次第に小児にも適応が拡大されてきました。世界的に見ると、小児例(18歳未満)の割合は急速に増加しており、多くの国では約半数が小児例となっています。わが国でも小児人工内耳の例数は年々増加の傾向にありますが、その割合はなお約14%と低率で、欧米あるいは他のアジアの国々と比較しても少ないのが現状です。これは、一つにはまだ日本では人工内耳手術を受けた子供さんが少ないので、実際にどの程度の効果があるかという体験を開けるような機会が少なく、また、この医療に対する理解が息児の両親や家族だけでなく、医療、教育関係者の間でもなお十分ではないためと考えられます。しかし小児のコトバの認知に関わる脳の可塑性は年齢とともに低下することが

 

 

 

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更新日: 2019年6月8日

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