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解決策ということで組織を見,チームを見,そして個人を見るという三つの段階を忘れないようにします。
 まず組織の中でのストレスの管理ということで,“〜ができる"ということで箇条書きにしてみましょう。
  1)病棟回診とミーティングを行うこと。
   患者に関する情報交換やディスカッションはきちんとした場を設定して時間をきちんととるということです。
  2)監督をして評価をするということ。
  3)個々にカウンセリングをする。これは重要な分野だと思います。
 スタッフに対して個人的なカウンセリングをどこまで認めるかということですが,私どもにはホスピスとしてのポリシーがあり,どのスタッフもソーシャルワーカーかチャプレンから3回カウンセリングを受けることができるようにしてあります。カウンセリングを求める場合は,自分自身もしくは自分の生活についてであって,仕事についてではありません。3回以上必要だという場合には,スタッフの中ではなく,外部のカウンセラーのところに行くように勧めます。ホスピスの中のソーシャルワーク部門は地域社会の中でだれがいいかという情報がありますので,そちらを紹介することにしています。
 非常につらい経験をしたり,あるいは厳しい状況に対面したというときには,その人は同僚の腕を引っ張って,いま話さなければこの先何もできないからという「3分の重要性」という権利があるという考え方をしています。いま経験してきた負担を胸にしまいこんだまま次の仕事をしなくてもいいということです。うちのチームでは,「3分ちょうだい」というと,厳しい経験をしてきたのでだれかと話したいという信号なのだというわけです。

 

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