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 私はストレスを感じると言葉がパッパッと口から出てしまって,ボスとして命令ばかりするようになってしまいます。私のやっている在宅ケアで考えてみれば,短期間にものすごくサービスが広がってしまったので,患者さんの数を減らすか,あるいはスタッフの数をふやすかどちらかという緊張の中に身をおいているということです。日本でも在宅ケアと緩和ケアがふえていけば,私たちが経験したような緊張にさらされるでしょう。しかし,スタッフにもっと働けとムチをふるってもどうしようもないわけです。
 ストレスヘの対応策としては,まず,ストレスになる原因を分析してみることです。やらなければならないことをやる能力が足りないので,ストレスになっていることが多々あります。せっかくチームを組んでいるのだけれども,それぞれメンバーの能力がちょっと足りないということであるかもしれません。ですから,全体のパワーアップのために,ある程度投資や訓練をする必要があると思います。

組織,チーム,個人を見る

 私のマネジャーとしての経験からいうと,監督をして,そしてみんなを評価してあげるということは大切なことです。しかし,いろいろ手を尽くしても何もできない状況もあるのだということを認めるしかないし,また,状況によっては避けなければならない状況もあるかもしれない。私はいまのところはある養護ホームでのトレーニングは中止をするという決定をしました。養護施設で話をすると,そこからの紹介患者がふえてしまうからです。スタッフの数をふやさないでおいて,そちらだけをやってしまうといっそう手が足りなくなってしまうからです。
 看護スタッフがオーバーストレスになったらチームとしては機能できません。

 

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