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オープンな場を形成すること

 コミュニケーションはチーム内,組織内のコミュニケーションです。ホスピスより大きな組織でも同じことがいえると思うのですが,なかなか管理の目は行き届きません。スタッフがストレスを経験すると,上司を恨むか外を恨むかということになります。そういう経験があったときには,自分でためてしまったりあるいはカゲでコソコソ言わないで,上司を招いてそれをオープンな形で外へ出してディスカッションしてしまうことが大切です。それから,マネジャーに対して,「なぜこうなっているのですか」と質問ができるような場を常に提供していくこと,つまり,オープンな場でコミュニケーションの円滑化を図ることです。たとえば組織の中で人事異動があったような場合とか,何か新しい決定がなされたようなときには,ニュースレターのようなものを発行して配って,情報が共有されるようにします。
 スタッフをサポートする支援グループについては私は良し悪しだという気がしています。長年の間,心理学者を交えて在宅ケアの場合もホスピス病棟の場合もこういうスタッフのサポートグループを組織してきたのですが,ところがやってみるとそのミーティングはマンネリになってしまって何のいいこともないのです。次のミーティングまで問題を抱えて待っているということがなかなかできないのです。医師もこういうミーティングにはこない。だからナースだけのミーティングになってしまう。それだけでもイライラは募るだけです。そこでどういうように工夫したかということですが,短期でやる時限的なミーティングを持ちました。たとえばチーム自体で変わったことがあったとか,ものを変えたとか,それから何か状況が悪くなったとかいうときにサポートミーティングを持つ。他のチームの支援を頼んだり,組織外の人の参加も有功です。

 

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