日本財団 図書館


 でも,私たちはみんな人間で,同じような思い,考えをもっています。緩和ケアに入ってくる新人のナースたちは3か月くらいたった段階で,自分のスキルがない,スキルが役に立たない,モノになっていないような気がしはじめます。ですから,新人スタッフができるだけなじんでいくことができるように,みんなで全体として責任をもって対応していくことが大切だと思います。
 先ほどチームについて話しました。チームというのはもっともストレスの高まる場にもなりうるし,もっとも強力なサポートを得ることができる場にもなります。そして,それぞれ一人一人がそのチームの中で責任をもっています。たとえば自分がわからないときにわからないと言えること,でもそれを言えれば,ほかの同僚が何かわからないときには楽に自分はこれがわからないと言えるようになります。とくに緩和ケアの環境の中で状況が非常にむずかしい場合には,それを受け止めるということがとても大事なことだと思います。うまく対応できないのではないかと怖れている人たちもいます。チームとしてうまく機能することができれば,自分や他の人たちがもしも何かミスを犯しても,それを受け入れられる環境ができます。ほとんどの人は過ちを犯して,学んでいくのではないでしょうか。

プラスとマイナスのバランス

 私たちの生活の中のバランスということについて考えてみたいと思います。ここ1か月くらいのうちにおきた重要な出来事を書いてみてください。たとえば大みそかのパーティがとても楽しかったとか,仕事で対立があって苦労をしてストレスが高まったなど。それによって自分にエネルギーをもらったか,あるいは奪われたかを矢印の向きによって書いてください。

 

前ページ    目次へ    次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION