?.チームケアにおける各メンバーの役割
在宅ケアのさまざまな問題
経験的にいえることは,緩和ケアの経験が浅い人が病院という環境の中で働くのは非常にむずかしいということです。病院でこそ,緩和ケアに関して十分に自信がなければいけません。英国でいまやっていることは,在宅ケアを何年か積み上げたナースを病院に送り込んで緩和ケアをさせるということです。病院の中で緩和ケアをやるのはコスト効果があるということは大きい声でいえると思います。
それからIVH(高カロリー輸液)は家に帰ったときにはどうするのかという話がありますが,この何年かの経験で,あまりきりきりしないでリラックスした態度でそれに接しようということになりました。民族的にもいろいろな背景をもつ人たちを私どもは手がけるようになってきています。ですからIVHを病院でしていたのであれば,家に帰ってもそれを続けることがその人の文化では大切なので,それを止めることはできないということです。ですから,IVHをはずして帰したいと思っても次の日からできるわけではないので,時間をかけてゆっくり構えましょうというようになっています。
うまくいっていないこともいくつかあります。それは同じ緩和ケアチームが病院の中でもケアをし,また地域に行って在宅ケアもやるというのはなかなかうまくいかないということです。どちらかはどうしても軽くなってしまうのです。
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