もう一つのグループは悪性腫瘍以外の患者さんです。むずかしい症状を伴ってはいるものの,必ずしも全面的な緩和ケアを必要としないような人たちです。何回か訪問を行って,その特有の症状がきちんとコントロールできるようにみてあげるということです。
セント・クリストファーズ・ホスピスのホームケアサービスは平均して18週間です。病気のより早期の段階から緩和ケアが提供できるようナースを外来に配置します。そうすることによってターミナルという恐怖感から逃れることができるようになります。
先ほど私たちは参加型のモデルを使っていると申しあげました。患者さんへの最初の訪問はすべて看護婦が行っています。そして医師は看護婦にアドバイスをし,また看護婦の教育も行っています。実際に医師がみるのは,全体のナースが扱っている症例数の10%程度だと思います。ナースの技術は日増しに向上してきていて,医師はそれに少し脅威を感じ始めている面があるかもわかりません。
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