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数日間ほっておいて,その後で患者さんにホスピスの外来を訪ねてもらい,そしてホスピス医師に処方をしてもらうのです。初めは抵抗があってなかなかうまくいかなかったのですが,最近はスムースに運営されています。
 往診については患者さん次第というところがあります。英国では夜間のサービスは,どうしても自分の主治医かもしくはそれが可能な医師ということになってしまいます。それだったらチームに電話をかけようと思うかどうか。夜間のサービスはマンツーマンでやりますから,夜間だけに集中する場合もあるわけです。
 1994年からは悪性腫瘍以外の患者さんについてもケアするようになりました。最初に始めたときには私たちにも不安はありました。それだけ門戸を広げてしまうと,洪水のように患者さんがやってくるのではないかという心配と,自分たちに十分なスキルがあるのかという不安もありました。そしてわかったことは,がん以外の患者さんにも私たちのスキルは十分に適用しうるものであるということでした。しかし,単に看護のニーズがあるだけの患者さんをむやみに入れないように基準を設けてはいます。

広がっていく在宅サービス

 最近始めたサービスがもう一つあります。それはコンサルタンシーサービスというもので,患者さんはスペシャリストと6回セッションを持ってコンサルテーションを受けます。これが有効な患者グループが2つあることがわかりました。
 まず早期のがん患者あるいは再発診断後の患者です。説明を受けた段階で,家族も含めて精神的なケアを行うことにより,その後家族の人たちもずいぶん楽になることがわかりました。

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