日本財団 図書館


(b) 水の注入を止め、排水された後、救命いかだ内の水の蓄積状況を調べる。

(c) もし、救命いかだが外部補強気室等で幾つかに区分されている場合は、各々の区画について、この試験を行う。

排水状況の判定基準としてA.689改正案においては、"感知できるほどの水の蓄積がないこと"と規定されているが、数量的に明確でないので、試験実施にあたり、同等と考えられる以下の目標基準を設定した。

“排水後、床面のほとんどの部分が乾燥状態であり、各部の残水量合計が10リットル以下であること。"

(4) 水中膨脹試験

救命いかだをコンテナに収納した状態で架台に載せ、架台と共に水面下約5mに沈める。この場合、可能な限り4mに近い水深において膨脹を開始するべく、自動索の長さを最小限にして取付け、架台から離脱した直後に膨脹が開始されるような状態にする。水面上からの操作により救命いかだを架台から離脱させた時の浮上及び膨脹状態を調べる。

(5) 投下試験

救命いかだをコンテナに収納した状態で高さ25mから水面に投下する。そのまま30分間放置した後、手動で膨脹させ、膨脹状態を調べる。

(6) 風速試験

A.689改正案によれば試験内容は以下の2項目である。

?風速30m/sの中で膨脹させた時の支柱気室及び天幕等の損傷を調べる。

?天幕開口部の開閉状態を変え、風速30m/sで各5分間放置し損傷を調べる。

さらに、可能な場合に行うものとして?の膨脹後にいかだを左右に30度傾ける試験がある。

今回使用した風洞試験設備は、風速30m/sが可能な第1測定部の大きさが幅4m、高さ3mと限られていたため、より広い第2測定部(最大風速20m/s)の試験を補助として、A.689改正案に準じた以下の試験内容とした。

(a) 風速30m/sにおける膨脹試験は、第1測定部において実施するが、その後の左右30度傾斜は第2測定部で風速20m/sの状態で参考として実施する。

(b) 開口部の開閉状態を変えた試験の第1測定部での実施は、風洞の閉塞状態が起こると予想されるため、状況をみて可能な場合に行う。

第1測定部の試験が実施できないことを予想し、あらかじめ第2測定部で風速20m/sにおいて同様の試験を実施する。

具体的には以下の手順で実施することとした。

(a) 第二測定部における予備試験コンプレッサー等でいかだを膨脹させ試験品を固定する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION