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この場合、いずれもGZカープは復正限界線を下まわっており、逆転状態では安定しない(復正する)ことが示されている。

沿海装備の艤装品(重量10kg)を装備した場合についても同様の計算を行ったが、同じく逆転状態では安定しない(復正する)との結果であった。但し、艤装品重量が軽量になる分だけ、復正力は低下することになる。

 

7.3 二次試作品の製作

基本設計に従い、二次試作品を製作した。救命いかだ本体を図5に、また、コンテナを図6に示す。膨脹した状態の救命いかだを写真10に示す。

 

8. 二次試作品の性能評価

二次試作品の性能を確認するため、以下の諸試験を実施した。

8.1 試験項目及び方法

(1) 自己復正試験

(a) 逆転膨脹時の復正試験

膨脹していない状態の救命いかだを水面に逆さまに浮かべ、ボンベにより膨脹させた時の復正状況を調べる。試験品は、格納状態とほぼ同様に畳まれた状態で、コンテナ及び格納袋を除き、つり上げ布によりクレーンで吊り上げる。

この場合、離脱フックでつり上げ布から解放される時に逆転膨脹すると考えられる方向に回転して着水するように取り付け、わずかに接水している状態でボンベの開放と同時にフックを離脱する。

(b) 自己復正性能の確認

膨脹させ、艤装品のみを搭載した救命いかだを水面に逆さまに浮かべた時の、自己復正状況を調べる。この場合、天幕の開口部は、全て開けた状態とし、天幕内に水を入れた状態及び水を入れない状態の両方について、様々な横転角度(180度まで)について行う。また、ロードセルを用い、復正力を測定する。

(2) 射水試験

天幕開口部の密閉状況を射水試験により確認する。3.5m離れ、主気室から1.5m上方より、口径63.5mmのノズルから毎分2,300リットルの水を5分間射水した後、いかだ内部への浸水状況を調べる。

(3) 自動排水試験

以下の方法により行う。

(a) 水面に浮かべた救命いかだの内側に、ポンプで水を毎分2,300リットルの割合で1分間注水する。

 

 

 

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