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震災での経験を通して,企業とボランティア団体等のパートナーシップの必要性の認識が高まっている。

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3  震災の教訓を踏まえた取組み

(1)災害時のボランティアへの対応についての課題

震災での経験をもとに,西宮市ではどのように認識しているのであろうか。

(「1995.1.17阪神・淡路大震災―西宮の記録―」)

ア.予め,災害発生時のボランティア活用についてマニュアルを作成しておき,市が主体的にボランティアを活用する。

イ.専門的能力や,車両,機材の提供があった場合,申し出と庁内各部局の要請をマッチングさせるための情報のコーディネート役が必要。

ウ.個人ニーズのボランティア活動(例えば引っ越しの手伝い,水汲み等)を希望するボランティアと市民からの派遣依頼を結び付ける市以外の窓口が必要。

今回の震災でも,市民からの派遣依頼が多々寄せられたが,ボランティアの派遣は市の復旧業務を優先し,また全ての依頼には応じられないので,公平を期すため民間のボランティア団体を紹介するにとどめた。

エ.災害発生時のボランティアには,?@個人参加の場合,?A学校,企業,労組などが団体で参加する場合,?B地方公共団体の職員が団体で参加する場合(いわゆる災害派遣職員を除く)の3つに大別することができる。

市としては,ボランティアと行政との関わり方について,上記?@,?A,?B各々のボランティアの特性を生かして役割分担をすることにより,活動の効果を上げられるよう,意を尽くしてきた。

特に,?A?Bについては長期・安定的参加が可能であり,参加の規模が大きいため市が計画的に手配,配置,調整をすることができる。

しかし,?@の個人参加のボランティアの場合はきめ細かい調整を要し,行政がこれを行うことは無理がある。そこでNVNのような第三者的な調整組織が必要である。

いずれにしても災害発生時には,?@,?A,?Bを市が各々の特色を活かして主体的に連携していくことが大切であると考える。

 

 

 

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