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※(応援要請の事前取決め)

・ 就寝中にもかかわらず,市内の各所で火災が多発したこと。しかも,地震により家屋が倒壊していたため,延焼拡大が速かったこと。

・ 神戸市の地場産業であるケミカルシューズ関連の工場が密集する地域が被害を受けたため引火性の危険物が散在しているなど火災荷重が極めて大きかったこと。当日は乾燥注意報が発表されており,気象状況も,北西の風,風速4.6メートル/秒,湿度54%,気温3℃と,燃えやすい気象条件であったこと。

ウ 火災原因

 

直後の… 59件

電気設備…器具 3件

石油ストーブ…4

薬品の化学反応…2

ガスコンロ…1

その他…5

不明 …44

 

10日間の…175件

電気設備…36件

薬品の化学反応…2

ガスコンロ…2

漏洩ガスに引火…2

放火…9

その他…12

不明…107

(5)救助活動

ア 救助活動の特徴

・ 同時多発の炎上火災により大規模火災に移行したため,消防隊は消火活動に主力を置き,救助活動については,他都市救助隊、県警及び自衛隊の支援を受けた。

・ 活動内容は殆どが倒壊家屋等の閉じ込め事故からの救出であるが, 2月3日までポイント作戦,ローラー作戦を実施し,その後は通報による捜索を実施した。

※(平素からの基本的な打合せ)

イ 救助件数

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(6)救急活動

ア 救急活動の特徴

・ 地震発生直後,多数の負傷者が消防署に駆け込んできたため,多くの消防署で救急隊員が応急手当を行う等,消防署が現場救護所の役割を果すとともに,救急隊は負傷者を直近の病院へ搬送した。

※(救急救命の特定行為)

・ 受入病院では,市立西市民病院,宮地病院が地震で倒壊し,中山病院,高橋病院が火災で炎上するなどの事故に見舞われ,その他の病院も建物損壊,停電,断水等で手術等処置不能となった病院が多くあり,一部の病院に負傷者等の搬送が集中した。

・ 既に入院している大量の患者の転院搬送や高度処置が必要な患者の転院搬送,あるいは救急搬送が集中した病院の転院搬送が多くあった。

・ 転院搬送は,市内の医療機関だけでは対応が困難で周辺都市への遠距離搬送で

 

 

 

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