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較では(微少なものの比較であるが)、ディーゼルエンジンと触媒を装着したガソリンエンジンでは同じくらいの寄与を示す。炭化水素工ミッションはオレフィンとかアセトアルデヒド寄与が大きいからである。エタノールはエテンとかアセトアルデヒドが相対的に排出量が多いので少しだけ異なった挙動を示す。しかしながら、オゾンの生成が大気中での窒素酸化物のレベルで決められるので、窒素酸化物が低いのは肯定的要素である。この評価は、E85自動車用燃料を用いたFFV自動車の計測で得られたものである。

 

燃焼で生成する特定の有機化合物エミッションはまだ明確になっていない。しかしそれらは、エンジンの燃焼と比較するとボイラーの最適燃焼より低いはずである。オゾン生成に関しもつと重要な要素は、燃焼炉での燃焼で発生する窒素酸化物エミッションである。さらに研究が必要である。

 

5.4 発ガン性への危険度

 

5.4.1 低いPACエミッション

ある化合物で汚染された空気に長期間(生涯)暴露されるとガンの原因となる。これらの化合物とは、ベンゼン、1,3-ブタジエン、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドである(米国の法律では空気中の毒物として見なされている)。スウェーデンでは、エテンとプロペンがこのリストに加えられている。それらの物質の影響度は異なり、それぞれ計測されている。これらに加えられるのは、PAC(多環芳香族炭化水素)であり、特にPACの窒素化合物である。窒素酸化物の潜在的発ガン性リスクは、顕著であるがまだ不明な部分がある。

 

前に、ディーゼルエンジンではこれら前述ののエミッションが一番排出されると述べたが、一般的には特にパティキュレートと深く結びついている。しかし、これらのエミッションは最近の環境用の軽油と酸化触媒でかなり改善されてきた。

 

ストックホルムのSLのエタノールバスの研究によると、ディーゼルエンジンを用いたエタノールによる運転で排出されるPAC王ミッションは、上述の最近の軽油バスと同じくらい低い。生態学的活性度(エームステスト)でも低い値を示している。しかしテスト情報は不完全で、さらに研究が必要である。

 

ガス状物質の複合毒性は、情報が不完全であるためこの研究では報告されていない。しかしながら、アセトアルデヒドの増加にもかかわらず、ベンゼン、ホルムアルデヒドの低下により若干低くなると予想される。

 

5.4.2 E85-ガソリンより良い

ガソリン自動車と比較すると、ガソリンの代わりにE85を使うと複合リスクは1/2以下に成る。

 

 

 

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