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3.3.6.3 健康に関する事項

 

基本的に通常の輸送および貯蔵中の温度では蒸気が発生しないので、純粋バイオディーゼルについては、健康に関する危険性として摂取の問題を指摘できる。純粋バイオディーゼルは、外見、臭いとも食物製品のようであり、多分に摂取される恐れがある。バイオディーゼルが摂取された場合、体内の酵素はエステルを分解して、大豆油、メタノールなどの元の成分に戻すだろう。バイオディーゼルに関連する健康に関する危険性として、このことは、メチルアルコールの毒性という問題を提起する。従って、バイオディーゼルは、普及用の資料にしばしば書かれているように、毒性がないとは考えることができない。

 

3.3.6.4 環境に関する事項

 

バイオディーゼルは、生分解性の物質である。試験データは、バイオディーゼルが、生分解性の石けんおよび洗剤と同じ範囲にあることを示している。従って、バイオデーゼルと関連した重大な環境上の危険性はない。

 

3.3.7 水素

 

3.3.7.1 概説

 

石油や天然ガスのように丼戸を掘って直接生産することができないため、水素は自動車用代替燃料の間で特別な存在である。水素は、天然ガス、水、石炭または植物のような水素を多量に含む材料から化学的に抽出されなければならない。毎年かなりの量の水素―約85億kg―が米国で産出される。

 

米国の水素の約95%は蒸気再生、すなわち水と天然ガスのような炭化水素の混合物から化学変化を通して作られる。蒸気とメタンが高圧・高温で結合するとき、化学変化により、水素および二酸化炭素が生まれる。変化の全体のエネルギー効率、すなわち、作られた水素のエネルギー量を、消費された全エネルギー量(再生器を動かすために使用された天然ガスおよびエネルギー)で割った数値は約65%である。電気分解など他の技術は、よりコストがかかる。

 

将来的には、電力源として光電池に大陽光を使ったり、または風力のような他の再生可能なエネルギー源を利用した大規模電気分解(個々の末分子を水素および酸素に分解するために電流を水に通すこと)を検討することが可能であるかもしれない。 この方法を用いてつくられた水素は、「ソーラー水素」、または「再生可能な水素」と称される。

 

車両への水素の実際の使用は、実験用車両およびフロトタイフ車に制限されている。いくつかのフロトタイフ車は、改造エンジンを使い、直接水素を燃焼させる。電気モータードライブに電力を発生させるため、水素燃料電池で電気を発生させ、モーターで動く(すなわち水素電気自動車)もある。

 

水素の直接的な使用に加えて、天然ガスに15%以上の容量の水素を加えた混合物(ハイタン)の製造を含む普及促進計画があった。この場合、水素は、混合物のエネルギー量の最高5%を供給する。

 

 

 

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