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するための適切な訓練などを通じ、被曝から保護されるべきである。燃料フィルターや排出パイブなどの、燃料タンクを空にするための転送ホース程度のもので作業している人々を被曝から守ることに役立つ。

 

3.3.1.3 環境に関する事項

 

全ての液体自動車用代替燃料に関する主要な環境上の問題は、燃料の流出、特に下水道システムに達する燃料の流出である。下水道システムへの引火性液体の放出は、NFPA‐30‐引火性液体に関する規則‐によって禁止されている。燃料流出に影響を及ぼすメタノールの物理的要因のうちの1つは、水への溶解度である。通常、下水道につながる非常排出日を持つ燃料取扱い設備は、燃料(ガソリンあるいはディーゼル)が下水道に達しないように機能する分離器、あるいは浄化器を持っているであろう。メタノールは水に溶け、直接分離器を通過するため、このアプローチは、メタノールに対しては機能しない。メタノールを水から分離する方法は存在しているが、非常に複雑であり、またコストがかかる。従って、最も良いアプローチは、地表への全流出量を収容する貯水システムの使用により、施設からのいかなる流出も下水道システムに侵入することを完全に阻止することを保証することである。大量輸送の状況において、あらゆるタイプの液体自動車用代替燃料にそのような保証を与える方法がないことは明らかである。

 

幸いにも、メタノールは揮発性が高いので、大気に触れた時は長時間存在しない。メタノールはまた急速に生分解する。

 

3.3.2 エタノール/エタノール混合物

 

概説

 

エタノールは、植物糖分の発酵によって生産される。米国においては、エタノールは通常、トウモロコシおよび他の穀物製品から生産される一方、いくらかの輸入されたエタノールは、砂糖きびから生産されている。メタノールと同様、エタノールは、単一成分である天然ガスやプロパンのような他の自動車用代替燃料とは異なり、物理的および化学的特性が一定であるところの純粋な有機物である。

 

純粋な、あるいは純粋に近いエタノール(E‐100)は、故意の飲用に使われる可能性があるため輸送関連にはほとんど使われない。実際、商業あるいは産業用エタノールは、連邦アルコール税を回避するために、(少量の有毒物質が添加され)常に変性させている。このため、摂取が重大な問題になることは考えにくい。バスのような大型ディーゼル・エンジン(圧縮点火)には、2つのエタノール混合物が使われた:

 

o 95%エタノールと5%無鉛ガソリンからなるエタノールE95

o 93%エタノール、5%メタノールおよび2%灯油からなるエタノールE‐93

 

双方の混合物は、メタノールのために開発された23:1の高い圧縮比を持つデトロイト・ディーゼル社製の大型ディーゼルエンジンに使われた。小型および中型ガソリン(火花点火)エンジンのための典型的なエタノール混合は、85%エタノールおよび15%)無鉛ガソリンである。この燃料は、M85と同様である。従って、それはE85と無鉛ガソリンのあらゆる混合比で点火できるFFV車両に使うことができる。

 

 

 

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