日本財団 図書館


代替燃料自動車の保管、荷積み、整備、給油を行うための建物あるいは施設が車両運行の重要な部分となっているが、現在のところ、防火基準および建築基準に関する経験は十分に蓄積されていない。代替燃料自動車の使用に伴うあらゆる危険性を認識するため、また、施設の設計や運営に際してこれらの危険性が適切に考慮されているかを確認するための措置が必要である。

 

3番目の進展は代替燃料については、「燃えるのか、あるいは爆発するのか」という従来のような燃料のテストより、さらに多くの危険性が考慮されるべきであると認識されたことである。例えば、圧縮ガスには高圧燃料システムの問題が伴う,液化天然ガスは、顔面に浴びた場合に失明する危険がある。メタノールと変性エタノールは人体に有害である。エタノール燃料は無許可使用という問題を起こしている。いくつかの燃料は人体の保護具に関して、さらに詳しい調査を必要としている。

 

最後に、地域社会や公共団体は代替燃料の使用に必ずし。前向きな態度を取っていない。反対運動により、すでにいくつかの都市で代替燃料計画を変更あるいは縮小させているは代替燃料の使用を提案する運輸業者やその他の人々は、許認可権をを持つ防火あるいは建築の係官との交渉のみでなく、地域社会や隣人の理解を得るべく交渉する必要がある。これらのグループの関心は車両の運行だけにとどまらず、代替燃料の製造および使用の観点からみた燃料輸送の問題にまでわたっている。運輸業者は代替燃料に関する交渉を開始するにあたり、さまざまな安全性に関する問題を説明し、市民の理解を得るように務めなければならない。

 

多くの潜在的な危険性と同様に、健康、安全面および環境面に対する危険性についての従来からの知識を理解し、整理することが必要であり、また追加的な研究がどの分野で行なわれるべきかを決めることが求められる。

 

代替燃料は、本質的に従来の燃料より危険であるというわけではないが、この安全性について特別な理解があれば、事前調査やすぐれた技術、十分な訓練によって代替燃料を安全かつうまく利用すことができる。

 

1.2 目的と範囲

 

本ライブラリーは、運輸業者の観点から自動車用代替燃料に関する危険性についての体系的評価を提供するものである…大量交通、輸送および貯蔵を通じて起こりうる危険性の種類は以下の通り分類できる。

 

o 安全性に関する事項

-火災の危険性

-その他の危険性

o 健康に関する事項

-燃料の毒性一吸入/皮膚への付着

o 環境に関する事項

-流出の影響

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION