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高齢者はその身体機能の低下等から日常の生活行動の範囲が限定されがちなためもあって、自らの居住する地域社会での新たな交流を求めていることがわかる。ここからも、新しい地域社会(コミュニティー)の創造に繋がる可能性がある。

高齢人口の増加等に伴い、全国的に盛んになりつつある、高齢者によるコミュニティー活動は様々であるが、このような動きとともに地域での新しいコミュニティーは形成されていく。例えば、大都市における高齢者を支える地域ネットワークの実例として名高い北九州市の「保健・医療・福祉総合連携システム推進事業」では、地域の様々なグループのメンバーからなる協議会を中心として、高齢者ケアをめぐる様々な地域活動が展開され、高齢社会に対応した新しいコミュニティーが形成されていることもその一例である。

 

(2) 高齢者の生活行動

 

○ 高齢者の生活行動時間

家族や地域社会の変化は、人々の生活行動の変化と表裏一体であると言える。日本人の生活行動については、「社会生活基本調査」(総務庁:5年ごとに実施している全国調査)がある。この調査によると、人々の生活行動時間は多様に変化している。例えば全国的にみて、他の年齢層に比べて生活行動時間の変化がゆるやかな高齢夫婦の生活時間(全国平均)をみても、学習・研究、趣味・娯楽、スポーツ、社会的活動等の積極的な余暇活動に費やす時間や、夫婦ともに家事に関連した活動時間が増加している(図表3-1-12)。

 

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