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い将来これらの技術が実用化され、衛星に搭載可能なサイズになると思われる。

 

 文献から得られた研究動向としては、紋別市における北方圏国際シンポジウムがあげられる(RESTEC,1996)。紋別市では市政の一環として、毎年2月にオホーツク海と海氷に関する国際シンポジウムを開いている。第11回に当たる1996年2月の会議では、参加者約140名(外国からの招待者30名を含む)と多い。RESTECの報告では、3万人規模の都市が毎年国際会議を開くことに驚いていた。SARに関する発表の方では、JERS−1画像を利用した海氷の動きのモニタリングについて研究がなされていた。
 JERS−1と光学センサのデータを用いて解析した流氷画像を、通信衛星スーパーバードを利用して配信するシステムについてデモを行った報告があった(RESTEC,1996)。紋別市に建設されたオホーツクタワーのオープニングセレモニーでRESTECがシステムのデモを行ったもので、NASDAの地球観測センター(Earth Observation Center:EOS)で受信したJERS−1画像をほぼリアルタイムで「流氷」「海域」「陸域」に分類して表示することができる。また、氷厚と流氷の移動ベクトル解析を行った画像を展示した。報告によれば、解析結果に対する見学者の関心が高かったようであった。本システムの課題としては「流氷の接岸・海明け予想」「氷厚の解析」「推奨航路の抽出」などのアルゴリズムの開発・改良やデータ提供の迅速化などがあげられていた。
 その他、RADARSAT画像を利用した北極点登頂についての文献があった(photogrammetric Engineering & Remote sensing、1996)。スキーで北極点を目指す民間の冒険者がRADARSATのScanSAR画像を利用してルート選定をしており、主として画像の濃淡で氷の年齢と表面粗度を目視判読する方法で解析を行っていた。

2.3.2 インターネット関連サイト

 SAR技術の最新動向を確認するために、SARおよびRADARをキーワードとして、インターネットの関連サイトを検索した。国内外をあわせて132サイトが検索結果として出力されたが、本研究とは直接・間接的に関係のないと思われるサイトも認められた。SAR技術に関する情報を得るためにアクセスを行った主要なサイトを以下に示す。

 

 

 

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