航空機SARの分野では、平成7年度に海洋における遭難者捜索にSARを利用する研究が海上保安庁で行われ、一定の成果を得ている(巻末資料3参照)。
SAR技術全体では、以下のような技術の研究・実用化試験が行われている。
(1)Squint Mode SAR
マイクロ波を斜め前方に送信することでルック方向が異なる画像を得ることができる。
(2)Spotlight Mode SAR
マイクロ波の送信方向を対象物に固定することで、長い時間観測し分解能をあげることができる。
(3)Inverse SAR
物体の動きによるドップラ効果を利用して、その物体の形状を求めることができる。
(4)Scan SAR(RADARSAT)
送信ビーム幅をスキャンすることで広い範囲を観測できる。
(5)Burst Mode SARやWave Mode SAR(ERS−1)
対象物が広い範囲で一様である場合、不連続に観測することで情報量と電力を節約できる。
(6)Down Dusk Orbit(RADARSAT)
午前6時、午後6時に赤道を通過する衛星軌道を取ることで、太陽から十分な電力を得て観測することができる。
(7)Bistatic SAR
1つの送信機に対し、複数の衛星に受信機を搭載することで、入射角以外の散乱角で観測できる。
(8)Multi−beam Radar
1つの送信ホーンに対し、複数の受信ホーンを上下に並べることで、観測対象物の高度を測定できる。
以上の技術は全て実用化されているわけではなく、また衛星や航空機の搭載できないものもある。しかし、様々な技術が分進秒歩していることを考えると、近