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融・保険業、不動産業」で52%(「減らした」は僅かに10%)と異常に高い数字を示した。これはこの業種では(前問の)過去1年間に常用雇用者数を「減らした」割合が72%と最も高くなっていることと合わせ考えると、常用雇用者を削り非常用雇用者への交替をかなりの規模で行っている企業が多いことを物語っているといえよう。また、「金融・保険業、不動産業」ほどではないが、この動向とほぼ同じ動きが「卸売・小売業、飲食店」においても明白にみられることは注目に値する。一方、その他の業種では全て「減らした」割合のほうが「増やした」よりも高くなっており、業種によって違った対応がみられた。なお、過去1年間に非常用雇用者を「増やした」割合は、常用雇用者と比較した場合、ほとんどの業種で大幅に上回っており(「建設業」を除く)、「減らした」割合では常用雇用者の場合を全ての業種で大幅に下回る結果となっている。
(2) 非常用雇用者数の今後の増減方向〔第31・32表参照〕
現在の非常用雇用者数について今後増やす方向なのか、まだ人員圧縮が必要なのか、その方向性について尋ねたところ、今後さらに「増やす方向」と回答した企業が30.5%と、(前問の)過去1年間に「増やした」とする割合を4.5%上回り、また、今後さらに「圧縮必要」と回答した企業が17.9%と過去1年間に「減らした」とする割合を3.9%下回ることとなっていて、今後、常用雇用者は引き続き圧縮の方向にあるのと反対に、非常用雇用者はこれを増やして活用して行くという企業が増える傾向にあることが明確になった。
ア. 企業規模別
これを規模別にみると、今後さらに非常用雇用者を「増やす方向」と回答した企業は、全ての規模でほぼ3割となっていて、かつ、どの規模でも今後「圧縮必要」の割合を1割程度上回っており、規模による違いはあまり見られなかった。
イ. 産業別
これを産業別にみると、今後さらに非常用雇用者を「増やす方向」と回答した企業は「卸売・小売業、飲食店」で60%(「圧縮必要」は0%)で飛び抜けて高く、次いで「金融・保険業、不動産業」と「運輸・通信業」がともに38%(「圧縮必要」はそれぞれ7%と24%)と続き、さらに「電気・ガス・熱供給、水道業、サービス業」でもほぼ同様の傾向がみられた。
なお、「製造業」は「増やす方向」(25%)と「圧縮必要」(23%)がほぼ拮抗しており、「建設業」では今後「圧縮必要」(28%)が「増やす方向」(6%)を逆に大きく上回るなど産業間の環境の違いがそのまま対応に出ているようである。

 

 

 

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