<ガス化溶融技術>
ガス化溶融とは、廃棄物を直接燃焼せず処理する方法で、燃料電池やガスエンジンなどに使用可能な合成ガスと再利用が可能な固体物に変えるものである。
<川鉄サーモセレクト方式ガス化溶融>
スイスのサーモセレクト社が開発した熱分解ガス化溶融技術をもとに、川崎製鉄(株)(現. JFEスチール株式会社)が日本のごみ事情を考慮して独自の改良を加えたもので、一般廃棄物はもちろん、医療廃棄物やシュレッダーダスト、廃プラスチック、下水汚泥などをガス化溶融して有用な資源を回収・再利用するシステムとなっている。
本方式は(1)ごみの圧縮・熱分解、(2)ガス改質・溶融、(3)ガスの冷却・精製、(4)水処理という大きく4つのプロセスから成り立っている。
(1)圧縮・熱分解工程
ごみ(廃プラスチック、紙くず、木くず、汚泥等)をプレス機で5分の1程度にまで圧縮*した後、熱分解炉へと送り、約2時間をかけて蒸し焼きにされる。この過程でごみは熱分解され、水分や揮発性の有機物のガス化が進む(残りは無機物や金属を含んだ炭化物となる)。
*空気を抜くことで、熱分解効率を高める。
(2)ガス改質・溶融工程
熱分解により生じたガスと炭化物は次に高温反応炉に送られ、このうち、炭化物は炉下部でバーナーから吹き込まれた純酸素と反応して約2,000℃の高温となり、無機物や金属が溶融される。