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表4.2.2-12(1)  廃プラスチックのガス化リサイクル
(加圧二段ガス化システム)
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表4.2.2-12(2)  廃プラスチックのガス化リサイクル
(加圧二段ガス化システム)
項目 内容
技術の有効性に関する事項 特長
■プラスチックの種類は問わない。
 材質別に分類することなく、ほとんどのプラスチックを混合してリサイクル原料とすることができる。塩化ビニルの処理も可能。
■ダイオキシン類による環境汚染を心配することなく、廃プラスチックの再商品化が可能。
・高温ガス化炉(1300℃以上)で完全分解できる
・ダイオキシン再合成温度領域を水による急冷で瞬時に通過させ、再合成を防いでいる
■再商品化した製品ガスを化学原料等に利用することで、化石原料の使用量を削減することができる(CO2の排出を軽減)。
■廃棄物の灰分についても、スラグとして取り出し、セメントの原材料としてリサイクルできる。
処理コスト
(イニシャル・ランニングコスト)
事業採算性  「即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃料化技術開発」事後評価報告書(案)(平成14年12月、新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術評価委員会)によれば、ガス化の再商品化コストは、原料ベースで60〜80円/kgと推定されており、生成ガスの利用施設がプラント近郊にあることも事業化の条件とされている。
再生製品の性能等  本システムで生成されたガスは、水素が約40%、一酸化炭素が約35%を占め、残りの25%をその他成分が占める構成となっている。このうち、水素と一酸化炭素は精製工程を経て、アンモニア原料や燃料として利用する。アンモニアは、ナイロン原料やアクリル繊維の原料として使われるほか、ABS樹脂としてパソコンの部品や看板などにも使われている。また、農作物や家庭園芸に使われる肥料の原料などにも生まれ変わっている。
 また、水素、一酸化炭素主体の製品ガスは、ジメチルエーテルやメタノール、燃料電池等用途範囲が広く、将来展開が期待されている。
 
表4.2.2-12(3)  廃プラスチックのガス化リサイクル
(加圧二段ガス化システム)
項目 内容
技術の有効性に関する事項 環境・安全面  塩化ビニル等に含まれる塩素分は、高温ガス化炉にてアルカリを含む水で急冷(150℃以下)・中和する。このようにしてダイオキシンを高温で完全分解した上、再合成する温度領域を瞬時に通過させることで、ダイオキシンの合成・再合成を防いでいるため、ダイオキシンの発生はほとんどない。また、発生したガスが外に漏れることもないので、外部への影響もない。
適用条件等
その他 <開発履歴>
 宇部興産(株)と(株)荏原製作所は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、(社)プラスチック処理促進協会と共同で本システムを開発、2000年にこれを確立した。
 また、宇部興産(株)と(株)荏原製作所は、2000年6月、同プロセスを使った廃プラスチック等有機廃棄物のガス化リサイクル事業の展開を図るため、両者の共同出資により、(株)イーユーピーを設立した。
<開発補助>
 2003年には、一日あたり約100トン(年間約1万トン)を処理できる体制を確立。このための設備増強資金として、日本政策投資銀行より約16億円の融資を受けている(廃プラスチックのケミカルリサイクル事業に対する日本政策投資銀行初の融資)。
<処理実績>
 2004年度:23,000トン
その他の事項 文献発表等
<文献発表>
「廃プラスチック二段ガス化発生ガスのアンモニア合成への利用」
亀田修、ゼロエミッション型産業を目指して(監修 鈴木基之)シーエムシー出版pp.201-206
 
表4.2.2-12(4)  廃プラスチックのガス化リサイクル
(加圧二段ガス化システム)
項目 内容
その他の事項 評価・表彰実績
特許の取得
<評価・表彰実績>
■2001年10月、日経新聞社「日本地球環境技術賞」受賞
■2002年3月、(社)化学工業会「技術賞」受賞
■2002年4月、日刊工業新聞社「31回日本産業技術大賞」受賞
■2003年11月、3R推進協議会「平成15年度3R推進功労者賞/3R推進協会会長賞」受賞
■2005年4月、文部科学大臣表彰「科学技術賞」受賞
■2005年6月、愛知万博「愛・地球賞」受賞
■2006年3月、山口県エコ・ファクトリー認定
環境への取り組み
添付資料 EUPリサイクルの流れ
 
廃プラスチックのガス化リサイクル
〔別紙 EUPリサイクルの流れ〕


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