塩化ビニルなどの塩素系プラスチックを最大50%まで混入した廃プラスチック(熱可塑性樹脂)を連続して熱分解処理し、生成油を回収、燃料油等として再利用する。
油化処理工程は、大きく分けて、(1)前処理工程、(2)脱塩化水素・分解工程、(3)生成油回収工程という3つの工程から成り立っている。
(1)前処理工程:受入→破砕・乾燥→選別→造粒→貯留
施設に持ち込まれた廃プラスチックを、破砕機で5mm程度のペレットに成形する。
(2)脱塩化水素・分解工程:投入→脱塩→溶融→熱分解
ペレットをスクリュー式脱塩装置に投入し、塩素の除去を行う。次いで、溶融槽で300℃程度にまで加熱し、さらなる脱塩素処理を行う(除去された塩素は、塩酸回収塔にて塩酸として回収する)。
一方、溶融状態のプラスチックについては、熱分解装置に移送し、400℃程度まで昇温して、分解ガスを発生させる。
(3)生成油回収工程:貯留→蒸留→生成油→排ガス処理
分解ガスは一旦冷却して分解油ドラムに溜め、最後に生成油回収塔で蒸留して、性状別に油として回収する。なお、分解装置で分解せずに残った残渣分については、同装置から排出し、固形の残渣として回収する(固形燃料として再利用が可能)。
生成油回収塔で回収されなかった低沸点のガス成分については、排ガス処理装置で処理する。