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表4.2.2-4(1)  TDI(トリレンジイソシアネート)蒸留残渣からのTDA(トリレンジアミン)の回収
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表4.2.2-4(2)  TDI(トリレンジイソシアネート)蒸留残渣からのTDA(トリレンジアミン)の回収
項目 内容
技術の有効性に関する事項 特長
■反応時間が短い。
■有機溶媒や触媒を使用せず、水のみを使用するので安全性に優れている。
■従来プロセスに比べ、80%という高効率でTDAを回収できる。
■従来プロセスに比べ、焼却される廃棄物の量が低減できる。
処理コスト
(イニシャル・ランニングコスト)
事業採算性
再生製品の性能等
環境・安全面
適用条件等
その他 <開発履歴>
 TDI蒸留残渣についてはこれまで、その有効な利用法、あるいはTDIの中間体であるTDAを回収する方法について検討されてきたが、適当な手段が見いだせないまま、産業廃棄物として処理・処分されてきた。
 TDI蒸留残渣中にはTDI、TDIの2量体、3量体、尿素誘導体等が含まれ、相当量の-NCO基が存在するが、一般に-NCO基をもつ化合物は、通常の水との反応では多量の炭酸ガス及び反応熱を発生すると同時に、不融、不溶性の尿素体を生成するため、爆発や閉塞事故防止の目的で水と接触させることはタブーとされてきた。
 しかし、その後の研究により、超臨界水あるいは亜臨界水を用いることで、固体状の尿素体を生成することなく短時間で加水分解し、TDAを生成することがわかり、工業化への道が開けた。
 TDA回収プラントは、1997年末に共同開発者である武田薬品工業株式会社(現. 三井化学ポリウレタン株式会社)の鹿島工場TDIプラントに併設され、試運転を経て、1998年1月から、商業運転を開始している(超臨界水を用いたケミカルリサイクルプラントとしては世界初の商業運転)。
 
表4.2.2-4(3)  TDI(トリレンジイソシアネート)蒸留残渣からのTDA(トリレンジアミン)の回収
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表4.2.2-5(1)一廃般系廃プラの油化処理
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表4.2.2-5(2)一廃般系廃プラの油化処理
項目 内容
技術の有効性に関する事項 特長
■一廃系多種類の廃プラスチックを油化できる。
■簡略な工程、汎用性のある材質の選定により、低コストで処理できる。
■全自動運転により、高度な省力化を図っている。
処理コスト
(イニシャル・ランニングコスト)
 既存の高炉に設備を付加する高炉原料化技術やコークス炉化学原料化技術と比較すると、初期設備投資額が大きく、コスト面で劣勢にある。そのため、コスト削減にむけた取り組みが必要になってきている。
事業採算性  「即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃料化技術開発」事後評価報告書(案)(平成14年12月、新エネルギー・産業技術総合開発機構技術評価委員会)によれば、油化の再商品化コストは、原料ベースで80〜120円/kgと推定されている。
再生製品の性能等
環境・安全面  排ガス、廃水等の環境対策には十分配慮している。
適用条件等
<受入条件>
■フェノール樹脂等の硬化性プラスチックは油化できないため、収集段階で除外しておくことが望ましい。
<今後の課題>
■処理コストの低減
■油化残渣の有効利用法の開発(熱エネルギー回収による再利用など)
■熱分解油を石油化学原料に戻す技術の開発
その他 <開発履歴>
 新潟プラスチック油化センターは、(社)プラスチック処理促進協会が平成7、8年度に通産省から補助を受けて開発した「次世代廃プラスチック液化技術開発プロジェクト」の成果を取り入れて、歴世礦油(株)が新潟市に建設したものである。平成8年11月竣工。
 平成9年12月より試運転を開始し、平成11年5月より商用運転に移行している。
 
表4.2.2-5(3)一廃般系廃プラの油化処理
項目 内容
技術の有効性 その他  しかし、容器包装リサイクル法が施行され、廃プラを入札により確保しなければならなくなると、大手製鉄会社とのコスト競争が激化、その結果、平成18年度にはついに、廃プラの供給元を失うこととなり、同年5月からは施設の操業を停止している。
その他の事項 文献発表等
評価・表彰実績
特許の取得
環境への取り組み
添付資料


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