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第4報告者:北海道IBD会長 萩原英司さん
 萩原です。こんにちは。私は北海道から参りました。北海道IBDの患者会の会長でもあります。北海道で難病相談支援センター機能を行っている北海道難病連という組織がありますが、そこの常任理事もしております。今日は北海道でどのような形で難病患者に対する支援活動が行政的に行われているかという事を話します。
 特定疾患と言われているものの中でIBDがどれくらいあるかという比率ですが、平成16年度に全国で54万件受給者証が発行されている中、潰瘍性大腸炎が8万人、一番多いですね。クローン病が2万3千人で過去五年間の増加率で言うと潰瘍性大腸炎が132%、クローンが129%と言う事で、赤丸上昇中で特徴だろうと思っています。
 北海道のIBDという病気に限って言うと、札幌、旭川、函館にしか専門医がいません。会員の方で一番遠い人は750km離れた札幌まで通っている人がいます。九州ってそういう意味じゃなんとなくまとまる大きさだなあと思います。IBDの患者さんの数ですが、こちらに人口対比の比率書いておりますが、北海道と福岡が多いのかなと思います。
 北海道でどんな施策をやっているのかというと難病対策については全国同じなので、皆さんと少し違うのかなと思っているのは、北海道では受給者証に病院の名前は書いてありません。つまりどこの病院でも入・通院できるのです。道外の著名な病院にも入・通院できますので東京の病院、兵庫の病院に北海道の受給者証で行けるようになっています。
 北海道は特定疾患に独自の事業もやっていますが、もらって良かったものは特定疾患ガイドブックの作成とか、専用相談電話窓口というのが設置されています。あと難病医療福祉相談会というのを北海道難病連が道から委託されている事業で1973年から毎年3〜4箇所道内のあちこちで専門医がいない所に専門医を連れて相談員が一緒に行って、一泊二日で市町村のところで相談事業を行っているということです。すごい症例があったりします。特定疾患を知らないとか身体障害者手帳がとれる方とかいます。
 
 
 (スライド4)北海道難病相談支援センターここが我々の拠点なんですが、1979年に作られました。2002年に増改築されました。基本的に北海道の資産です。ここを北海道難病連という患者団体が運営の委託を受けていますし、ここにいるメンバーで先程の相談事業その他のことをやっています。ちなみに相談室というところは3人の方が専任でいます。その方々がいろんな問い合わせを受けていて、これ以上うまく答えられないなと言う時に患者会の方に回ってきてそこで役割分担しながらやりますし、我々も直接相談受けたりすることもあるのですが、そのトレーニング、そういうことを相談員の方から年に一回講習を受けることもやったりします。
 (スライド5)難病センターというのは会議室があり患者会の総会とかイベントが年に1000件行われたり、相談数が73年から累計で2万4千件、一人の方の相談が終わるまでを1件とカウントしますのでもっと多いと思います。宿泊ができる設備とかがあって、これを財団法人北海道難病連が運営しているという形です。
 (スライド6)私は札幌市民でもあって札幌市がやっている事業がありました。居宅生活支援事業という国の事業というのを上手く活用した形です。残念ながらIBDの患者はお世話にならないところなのですが、広い意味で難病の方にとっては助かっている部分が色々あるのだろうと思っています。
 (スライド7)札幌市難病ガイドブック4回目の発行。これは北海道難病連が委託を受けて札幌市民に配る形で作っているのと、難病医療相談会という形で札幌市がお金を出して運営を難病連に委託をしています。IBDは結局、患者数が多いのと口が多いので毎年立候補して例えば小児のIBDということで専門医の方にお話を伺ったり、栄養指導ということで料理教室を開いたりしています。
 潰瘍性大腸炎という特定疾患45の中から抜くかもしくは対象を限定するかということが8月9日ニュースで流れました。これは私達、北海道IBD、それから今日ここにも関わられている熊本IBDも含めて全国のIBDの患者会IBDネットワークというのですが、抗議の記者会見とか行っています。今後、抗議葉書とか患者さん1人ひとりがこのことに対してどのようなデメリットがあるかきちんと言える場を作って行こうと考えています。皆さんのお手元の黄色い資料にネットワーク、患者会としての見解を出しています。こういうのをご参照になって下さい。今、厚生労働省の中で潰瘍性大腸炎は8万人その中の66%が軽症とみなしていて対象から外すかどうかが結構大きな争点になっていて、これは結構早い段階で結論を出したいという意向のようです。我々も注視しながら情報を皆さんと共有しながら行ったほうがいいんじゃないかと思っています。以上です。
 
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