第7発表者:宮崎県難病相談・支援センター 相談員 三浦 美保 様
こんにちは、宮崎は4人でやっています。うち2人が保健師の高山と看護師の三浦です。私自身がSLE(全身性エリテマトーデス)で8年目。当事者としても支援をさせてもらっています。そして難病医療協議会の保健師の熊谷も参っております。3人で朝早くから高速バスでやって参りました。
宮崎県は平成4年から17年まで難病団体連絡協議会と保健所が合同で難病の医療相談会を開催していましたが、今回センター開設という事で、医療相談会に関しては全てセンターに移行するという事になりました。宮崎県では平成17年度新規事業としてセンターの予算も決まり、実は17年9月6日に開所の予定だったんですが、台風14号の接近で私の家も浸水し、大変な被害があり、当日難しいだろうと翌日7日に開所いたしました。場所は福祉総合センター2階の一角に出させていただいています。当初は相談員が4名居りまして、平日の月曜日火曜日を除く水・木・金・祝祭日を相談員が担当し、ピアサポーターが各団体から1名出て頂いて土・日を担当してもらっている形を取っていましたが、17年度末で日・祭日の利用者が大体7ヶ月間で10人に満たないということで予算の関係もあり、18年度から現在の運営の形態を取っております。開設からの7ヶ月間で339件の相談がありました。宮崎県の17年度特定疾患治療研究対象の患者数は5,679名なんですが、その中でご相談が339件、この中には難病以外の相談も入っています。まず相談者別を見てみますと、本人からの相談が147名で全体の43%を占めています。相談方法では電話が227名で全体の67%、面接は95人で全体の28%を占めています。相談者別の年齢内訳はグラフを見ていただきますと50代がだいたい81人で24%、60代が61名で18%を占めております。次は相談別疾患群で、これは121の難治性疾患克服事業の対象疾患という事で59%ですね。難病が相談件数の中の約6割を占めております。次に難病相談の内容別は、医療相談が135名で約4割、福祉の方が68人で20%を占めています。次は関係機関としましたが、連携させて頂いた機関として一番多いのが保健所と言うことで私達もまったく難病相談をしたことが無い4人、その連携先でどこにまずつなげればいいのかという事で、最初の頃はどうしても保健所の保健師さんへつないでしまっていたように今振り返れば思います。現在少しづつ連携先を開拓しまして、保健所ではなくて保健所さんの方から私達に難病の方の紹介を頂いているような状態になって来ております。



次に主な相談内容と支援事例です。医療・福祉・教育・交流会・今後の課題と言う五つに分けて発表したいと思います。まず医療に関しまして医療相談の中でこの方の事例が一番多かったんですけれども、奥様がパーキンソンでご主人が相談におみえになった事例ですね。現在要介護度5ということで胃ロウを増設されています。本当は宮崎市内に住んでいなかったんですが、お子様が宮崎に来られて一緒に同居するとのことで、お子様達から介護をしてもらえるものだとご本人さんは思って宮崎に来られたんですけれども、結局介護をするのはご主人だけと言うことでお子様達は仕事があるからと言うことで、ご主人がどういう風に自分は取り組んだら良いのかとすごく悩んでおられて、すごく密に関わらせて頂きました。まずはそのご主人が奥様の進行性核上性麻痺と言うその病気ですね。まずはこの診断名は正しいのだろうか?と言う所ですね。あの病気の受入れに対して、こちらと致しまして、ネット検索をしたり全国の医療機関に問い合わせをしたり、友の会に問い合わせをしたりしながら資料・情報をご主人に提示いたしまして、後は今日来て頂いています医療連絡協議会にも紹介して相談を受けてもらっています。で三月に神経難病の相談会をセンターで開催致しまして、その時にもご主人が参加して下さいまして、神経難病のドクターと相談を深められておられます。
課題としては、医師の専門的な内容について相談を受けた際の医師・薬剤師の連携がとれていないと言うことで、私達のセンターには運営委員会と言うのがありませんので連携先のところで何処に連携すれば良いのか?専門医の方とどうやってつないで行けば良いのか?と言うところで、ただ今すごく苦慮している状態が発生しています。
次に福祉ですが、脳疱性乾癬の男性の患者様ですね。この方は入院中で、治療効果の見通しがつかないと言うことと、ご本人様が自己破産をしてしまっており帰る家が無いと言う状態でご相談を受けています。支援としては、まず引越しの費用ですね。その費用について急を要するという事で社協にご相談をしました。選択肢の中には生活保護も考えられると言うことで、市の社会福祉課にその条件、支給額等について問い合わて本人に伝えております。で、今回初めて連携をしたと言うことで日頃から福祉部門への連携をとって行かなくてはいけないと言う事をこの症例で痛感いたしました。
教育の項目は就労とセットにしておりますので、その中の就労について発表いたします。この方は全身性エリテマトーデスとてんかんを持っていらっしゃいます。30代で本人さんが相談にお見えになっています。早く仕事に着きたいけれども、仕事が見つからないと言うことでハローワークに同伴いたしましてご相談をしております。ハローワークでは、結局免許を持っていないと言うことで事務職を希望されたのですがやっぱり免許があった方が良いんじゃないかと言う事で、宮崎市の場合35才以下の方へはIT講座と言うのがありまして、それの部分に障害者では無かったんですけれども、講習が受けられるようになり6月8日の日に面接に行かれています。で、講習の倍率が2倍ということで退院して一ヶ月ということで体調に不安があるということですね。この講習会自身が企業実習も含めましてだいたい四ヶ月半あるということで、これを続けて長丁場なので体調管理が出来るかどうかというのを今ご本人さんが少し悩んでいらっしゃいます。
次は交流会ですね。この方は皮膚筋炎の方で女性の方40才です。センターを利用して頂いていましたけれども、市主催の交流会は全疾患難病の全疾患対象で「あけぼの会」というのが宮崎市の保健所にあるんですけれども、その交流会に参加され、全疾患の交流会ではなくって自分達の皮膚筋炎の単独の交流会をして貰えないだろうか?ということを申し出られたので交流会を計画いたしました。その時に強皮症、皮膚筋炎 皮膚筋炎の方たちで、市役所の対象疾患の方40名にチラシを送って頂くという方法をとり、参加者は11名でした。今後の課題と致しまして同じ悩みをかかえる者同士の情報交換をしたいとうことで、講演会は要らないので茶話会・・・先程、熊本の発表でもあったんですけど、本当にお茶を飲んで日常会話をしたいというご希望があったので、交流会をセンターとしては今後も続けていこうと思っております。

今後の課題と致しましては幅広い情報の蓄積とそれから提供です。それから、これに関して疾患とか医療とか福祉サービスですね。その支援機関などと多岐に渡る相談にも応じられるように、日頃からの各機関と連携を図っていく事が大事だということです。しかし、この部分で今悩んでいるんです。連携強化を図るためにもセンターそして運営委員会の立ち上げも考えているんですが、構成メンバーとかそれから規約など今行き詰っている状態です。で、このことに関して相談員が相談者のニーズに応じて連携先を開拓している状況ですけれども運営委員会の立ち上げがちょっと難しいので、そのことで他のセンターからの情報を今回いただいて、今年中には運営委員会が立ち上がるような形に持っていきたいと思っています。次は就労への取組みで、センター独自で就労支援をしてくれるのか、と言う意見がとても多いんですけれども、現状ではとても無理な状態で、支援で上げているんですけれども患者様自身は斡旋をして欲しいっていう希望があります。その斡旋に関しては、ハローワークの障害担当の方と連携をして、難病で障害者手帳をお持ちではないだけれども難病の方も優先的に仕事を斡旋して頂くという体制作りを今行っているところです。次にピアサポーターの育成と協力で、ピアサポーターと共に難病の理解とか相談技術の研鑽を積みながら患者様だからこそ出来る活動を援助していきたいと思っています。今年はピアサポーターの研修を3回計画しており、7月から10月までに3回入れる予定にしています。この他、宮崎県の難病センターでは宮崎県自身が財政難という事情で、先程鹿児島の方もありましたが、相談室のスペースが21.5m2しかないんですね。という事はお部屋1個分。交流スペースも無く、皆さんに集まって頂いて講演会を行うスペースも無いような状態が続いてます。その中で人件費も少なくて、相談員が4名ですけれども常勤の相談員がいないという事で活動に少し支障が出て来ております。これで発表を終わります。ありがとうございました。
|