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第8発表者:沖縄県難病相談支援センター相談員 照喜名 通 様
 
 皆さんこんにちは。沖縄県難病相談支援センター相談員、NPO法人アンビシャスの照喜名と言います。よくですね〜アンビシャスの照喜名と言ったら、ペルーから移民して来た苦労した方ですねーって最近言われています。違いますよー元々沖縄人です。沖縄は今梅雨時期、首里城で売店、パーラーをやっていますが、その首礼の門を写してきましたけど曇り空なのできれいに写っていません。
 座らせて頂きます。「各役割と位置づけ」という事で、沖縄県難病相談支援センターというのは県から委託されていますが、研究会とか他のセンターとも情報交換をしてますよと言う意味ですね。センターはNPO法人アンビシャスが受託しています。地元の患者会は全国の総会とか連携していますのでそういったつながりもあります。行政からいくと国、県、保健所との県の連携、あと市町村は居宅生活支援の部分ですとか障害者の窓口とかは市町村です。そういった行政系の支援機関ですね。あとNPOとしてはNPO支援機関、沖縄では県がNPOを支援するNPOプラザと言う所、那覇市がNPOを支援する那覇市のNPO支援センター、社協がやっているボランティアセンターとか色々支援機関があります、そことも連携をとってボランティアのNPOをしています。市民活動ですね。企業系の支援機関というのは、例えば産業振興公社ですとか、病院とかも入ります、こちら株式会社パートナーと書いていますが後で出てきますけれども株式会社の支援をしてもらうおうと。これはアンビシャスの歩みなんですが、平成12年に「難病患者による在宅就労支援に挑戦」という事で新聞の見出しのタイトルです。私がクローン病です。クローン病の当事者ですがそれが会社を脱サラして自分たちでホームぺージを作ろうというのを記事にしてもらいました。その時に今後は難病支援センターと言うのを立ち上げたい〜と夢を語っていた頃です。13年の7月4日これはアメリカの独立記念日でありますけども、その時に膠原病友の会の会長さんとIBDと何人か集まって立ち上げようと決意したのがこの日です。それから翌年の2月14日バレンタインデーの日ですね。NPOの法人化を受けております。でその1ヵ月後抽選で首里城の公園の売店の開始を3月に行っております。この抽選は年末に、前年の12月に新聞広告欄に、県の土木建築部(首里城管理してる所轄)が入居者募集という事で応募し、抽選で割り箸をひっぱって当たりました。その時はワークシェアリングで、SLEの人2人、クローンの人1人、潰瘍性大腸炎の人1人、あれ5名いたけどな、5名でやっていました。今はクローンの方と潰瘍性大腸炎の方もリタイヤして、今はSLEの3名がここで働いております。月・水・金、火・木・土と働いて休んで、働いて休んでという形をとっています。あと去年7月から県からセンターの受託を受けました。それから1年経って、今年5月なんですが売店など収益部門を独立させて、株式会社を設立しました、この目的は認定NPOを目指すという事で、NPO法人は所轄庁で都道府県とか複数件ある時には内閣府が認証するんですが、国税庁が認定する制度でそれを目指しています。後で出てきます。
 
 
 
 これは去年の相談内容ですね、ここに書いてませんが沖縄県は約130万人です。離島等もあるんですが、特定疾患が平成14年の立上げの時4,200人だったのが今年は5,000人を越え沖縄も増加しています。内容は病気の治療の方が多いですね。就労もありますが、この内容は雇用の決定者の出勤とか在宅で就労してますが、その人たちの納品等は除いております。件数が足りないから今年からは足そうかなと思ってますけども、これもカウントの仕方です。相談の多い疾患は上位10疾患で、SLE全身性エリトマトーデスが多いですね。クローン病が多いのはやはり私がクローン病だからと思うんですけどもなぜか多いですね。次、潰瘍性大腸炎、パーキンソン、ALS、後縦靭帯骨化症、もやもや病、原発性免疫不全症候群これは1人しかいないんですけども何回も来ています。重症筋無力症、ベーチェット、進行性化骨筋炎、筋ジストロフィとかが上位となってます。相談方法は電話がほとんどですね。あと来所、メール、ファックスとか聴覚障害の方がファックスで送ってこられていました。相談者としては本人が多く、あとは家族その他っていう事になっています。
 
 
 
 難病センターの支援の内容に患者会支援というのが一つありますが、定例会への参加、新規患者会への設立準備という事で、もやもや病が来週「もやの会」と言うのが来週土曜日に設立します。司会も頼まれたのですが、あとALSも水曜日に宮崎からALSの玉置さんがみえて、とにかく沖縄を今年力をいれようという事で、おそらく今年いくなと思います。ただ患者・家族をあまりせかせて苦労してもいけないのでゆっくりゆっくり今年か来年には立ち上げる予定です。それ以外には後縦靭帯骨化症もやろうという決意までで出来ていますが、リーダーシップを取れる人がいない。脊髄小脳変性症もやろうと言っていましたけれどもリーダー格がいないとう事でそこがちょと難しいところになっています。沖縄で私が立ち上げた時、まだ難病連もありません。患者会がIBDクローン病と膠原病友の会の二つだけで、121疾患のうちの2つしかありませんでした。2年前パーキンソン病が立ち上り、次が3番目4番目がこんな感じです。だから市場というかまだまだ開拓されていない市場なんで、沖縄は頑張ればどんどん実績が出て来るという事ですね。プラス思考で。あとホームページのレンタルっていう事で膠原病友の会のホームページをサーバーのレンタル代金をアンビシャスの方で立替えて支払っており、患者会の運営もマネジメントとしての相談も受けております。あと助成金申請の書き方教えてとか、各友の会はこうやって色んなパソコン貰ったりしてます。今年の予定として私IBDなんですが、会長は別の方ですが全国総会の3日前にドクターストップがかかり急遽私が代わりに行くことになったんです。沖縄は離れてる分旅費が高くつくんですね。だから中々2〜3名で行けないんです。それが一つ会を活動に活発にさせる弊害となっていると考えて各患者会に8万円ずつを支援しようと決めております。それは複数名参加して患者力をどんどん強くしてもらおうというのが目的です。
 
 
 ボランティア活動NPO的な市民活動として、去年「おきなわNPO活動2006」というのがあって、3回目だったんですがこれの実行委員長をさせられまして、忙しい思いをしました。これは活動資金を捻出するためです。総動員人数は700名くらいですね。ブース形式でやりました。フィーリングカップル“企業とNPO5対5”とか言うのもイベントをやりました。参加団体NPO35団体ありました。それと別に活動資金の捻出このエイブルという映画があるんですけど、その上映会をして500円で仕入れて1000円で売って500円儲かりましょうと。なかなか助成金だけ貰って他の環境系NPOとか皆さんそうなんですね。そうじゃなくて自分たちで稼ごうやとリスクしょってですね、その代わり売れなかったら全部赤字ですよと。アンビシャスの場合1000枚買って50万のリスクを背負ったんですが結局プラス34万の収益を稼ぎました。動員は1100名、書いてませんが6団体が腹くくって結束して共同したイベントです。
 
 
 あとボランティア活動のシステム化という事ですね。これは個人的なものなんですが、今自分の息子高校2年野球やっている子が脊髄空洞症っていう難病の一つ121に入っています。手術をして今週月曜日から学校に行ってるですけどもまだ良くはなっていません。頭痛とか時々きます。その時親の気持ちとしてやることが無いんですね。やってあげる事がなくて手持ち無沙汰があって、じゃあ千羽鶴作ろうと言う事で千羽鶴を作りました。それをホームページにアップしたら次の日の朝にはポストに千羽鶴が入ってたりとか、折り鶴が入ってたり、県外からも送ってもらったりしたんです。
 彼には千羽鶴出来たんですが、色んな人達から支援してもらっているんで、これをもっとある程度乗り越えて、クローン病は克服して、色んな患者さんの相談も聞いて、今の病気きても大丈夫なんで、神様は自分の息子までやってくれる。という事で、そういうことも乗り切っているんですが、やっぱり子供の事となると大変だということは皆さん他の親御さんもそうだろうと、せめてだったらこういった折鶴を、千羽鶴をプレゼントしてもいいんじゃないかというのを企画、欲しいだろうと思って、私は欲しかったので・・・こういったものを支援して行こうと、ただもう一つ逆にシステム化と考えれば、小学校とか中学校で何かボランティアしたいんだけど何かやってあげたいんだけども何か無い?と言っても例えば草取り、草むしりして欲しいとかそのくらいしかないとか、医療的な事だったら学生とかありますけども、なかなか出来ないんで小学生も出来るボランティアっていう事で折り鶴をカリキュラムにして学校で折り鶴をしてくれたら難病の人の支援になるんですよ。というのを今年仕掛けて行こうと思ってます。
 
 
 就労支援の部分では、自主事業の首里城の公園内での売店のスタッフを2名から3名へ増員しています。去年のゴールデンウィークにSLEの患者さんが貧血で急に入院し、病院から電話あってこの患者さんは外出禁止ですから仕事休ませるようにという事で急遽私がヘルプで入って大変な思いをしました。それから色んな経費を抑えて3名就労しています。過剰ではあるんですが余分に雇用しています。今私を含めて雇用保険の適用者は8名で給料の総支払額は1,200万位ですね。月100万位を払っています。あとはオリジナル商品の開発という事で瓦商品をやっています。指笛これで在宅で就労する人たちには総額100万位、去年の6月からスタートして調度1年です。琉球新報に取上げてもらって、沖縄タイムス、沖縄スタイル、オリオンビアブレイク、フリーペーパー、ビーパルと言うアウトドアの雑誌のホームページ版でも取材を受けました。沖縄テレビ、それからケーブルテレビネットワークは30分番組の特集をしてくれました。結構有名になってきています。
 
 
 次に、非営利組織NPO的な考え方。収入源には大きく4つあります。一つは会費、寄付金の収入、自主事業、本の出版などの色んな講演会の収入。行政である県や国からの委託事業、あと助成金・補助金これはスポットで申請してもらうもので、助成金とかもらえたりしますね。この4つがNPOの主な収入源といいます。そのバランスが必要なんですが、去年のウチの収入が自主事業、首里城とか物の売店で2,400万。それプラスアルファ、色んな在宅でテープ起こしとかホームページ作成とか他のものも入れて3,100万、寄付金・会費は116万あるんですが全体の割合として全体の3%くらいですね。行政、県からの委託費は税抜きなんで420万です。助成金というのはトライアル雇用ハローワークですね。ウチは逆ですね貰う側ですね会社として。難病患者・障害者を3ヵ月間就労するという事で助成金5万円の3ヶ月かな・・・これで何人か助成金もらっています。ところがバランスが悪いんですね。行政から貰っているんで少しは良くなったんですがゼロじゃないから。だけどあまりここは出すぎと・・・NPO法人と認定NPO法人で、こっち寄付する側で、個人がNPO法人に寄付する時に寄付金は控除されません。ところが認定NPOを取ると寄付金が所得税から1万円免除、法人だとNPOの寄付した場合だと一般の損金算入限度額、これは資本金の何%とかか売上金の何%とのどちらかで、認定を取ると一般の2倍まで経費扱いできます。あと相続税・遺贈がNPOだとそのまま課税対象で、認定だと相続税課税対象外になります。そんな事で認定が欲しいという事です。認定NPO取得するためには国税庁のパブリックテスト、色んなテストがありますが、パブリックテストって言うのは公共性を見る基準でありまして、全体収入の中の寄付金の割合が20%、5分の1以上であるという事なんです。先程のグラフで見たようにアンビシャスの場合は3%なので認定NPOが取得できないという事になり自主事業85%という事です。それで体制を変えるという事で、国税庁の言う収益事業ですね、物品の売買33の品目、物品の売買とか委託事業とかそういうのも税務署では収益事業とみなされます。NPOでは言えませんが、アンビシャスの場合は株式会社を作ることにしました。NPOが100%株主、株式会社を持つ株式会社を作りました。株式はNPOで持つので異なった方には進まない。代表取締役は私になりましたが株券を持たない形になります。だから私が辞めてもNPOアンビシャスが株主なのでNPOがつぶれない限りはそのまま寄付になると。積極的に株式会社がNPOに寄付すると、ようするに99円で仕入れて100円で売って1円しか利益がなかったと、それでも売り上げ金額で分母の方を見ますからどうしてもパブリックテスト取れないんですね。ですから99円で仕入れて100円で売って1円の利益出たものを寄付すると、寄付金の割合が大きくなるだろうという事で20%超えるという考えであります。これ今後の課題ではありますが、このNPOの認定を取るためのメリットとしては認定NPOに近づくという事もあります。あと寄付金の増額、認定NPOを取れば企業は寄付しやすくなるからそれ見込めるでしょう。その分患者会支援への強化も出来ますね。デメリットとしては法人税。今はだいたい国税、県税、市民税とかありますけど7万円払ってますけど、これが倍になります。あと利益追求型になったのって業務としては今まで通りですね。ただ会計が別々になっただけなんですが勘違いされている人もいます。でもそういったデメリットが考えられます。運営コストが大きくなると金銭的なコスト、実際出て行くお金もありますけど、人的なコスト色んな業務とか税務署の書類も2枚書かないといけないとか色々ありますから、ここら辺を安定化するにはちょっと不安が残っています。運営スタッフ=難病患者の技術向上と意識改革が必須ですね。難病支援センターに行けば何でも支援してくれるというふうに逆に勘違い、段々上手くいけばいくとまた依存も出てきますから、自分たちで作っていくんだということ。NPOだったら儲けは下手くそでもいいけど、株式会社だったらもっとプラスを出さないといけないんで、やっていかないといけないといけんということです。ご清聴ありがとうございました。
 
 
 
 


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